不動産投資をする中で、物件の買い替えや現金化のために保有物件をオーナーチェンジで売却することもあるだろう。オーナーチェンジで物件を売却する際には、買い取り業者である不動産会社への売却を検討するのも選択肢の一つだ。
本記事では、買い取り業者に物件を売却する際のメリット・デメリット、業者選びの注意点について解説する。
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オーナーチェンジで物件を売却する2つの方法
オーナーチェンジで物件を売却する際には、以下2つの方法がある。
- 仲介業者経由で買主を探す
- 買い取り業者に直接売却する
2つの方法は、仲介業者を介在させるか否か、すなわち取引に関わるのが二者か三者以上かという点が大きく異なる。
仲介業者経由で買主を探す
仲介業者を経由する場合、売主(オーナー)はまず仲介業者に媒介を依頼して買主を探してもらう。下記のイメージ図のように、仲介業者が売主と買主の間に入り、売買契約の成立に向けて斡旋するということである。
※買主も仲介業者に媒介を依頼している場合は四者が関わる取引となる。
仲介業者を介在させることで、売主は物件の広告活動や買主へのアプローチなどの工程をプロに任せられる。つまり、売主自らが動くことなく、物件を広く告知し、より高い価格で購入する買主を見つける可能性を高められるということだ。
一方、仲介業者を介在させることで仲介手数料がかかるため、コストの面では負担が大きくなるといえる。仲介手数料の上限額は、物件価格(成約時ベース)に応じて、以下のように法律で定められている。
成約価格 | 仲介手数料の上限額 |
200万円以下 | 成約価格×5%+消費税 |
200万円超え400万円以下 | 成約価格×4%+2万円+消費税 |
400万円超え | 成約価格×3%+6万円+消費税 |
例えば、3,000万円で成約した場合、最大で105万6,000円(税込)の仲介手数料がかかるということだ。
買い取り業者に直接売却する
買い取り業者とは買主として自ら物件を購入する不動産会社である。買い取り業者に直接売却する場合、仲介業者が介在しないため、取引のイメージは下図のようにシンプルになる。
不動産に関する知識のない当事者同士が直接取引を行う場合、売買における各種事務的な手続やローンに係る金融機関とのやりとりの煩雑さ、法律等に関する専門知識不足などが原因で、思うように取引が進まなかったりトラブルが発生したりする可能性もある。
一方で買い取り業者はプロなので、直接取引でもスムーズに取引を進められるだろう。
買取業者に直接売却する3つのメリット
買取業者に直接売却するメリットは主に以下の3つである。
- 売却までのステップがシンプル
- 物件を早期に現金化しやすい
- 仲介手数料がかからない
買主と直接取引ができるため、コストを抑えてシンプルかつスムーズに売却できる点がメリットだ。
売却までのステップがシンプル
買い取り業者への直接売却の場合、仲介業者との媒介契約の締結や広告活動といったプロセスがないため、売却までのステップが少なくなる。煩雑な手続を省略できる点で、売主の手間が削減されるメリットがある。
物件を早期に現金化しやすい
買い取り業者への直接売却の場合、仲介業者との媒介契約の締結や広告活動といったプロセスがないため、現金化までの時間もかけずに済むケースが多い。また、資金調達ができている買い取り業者もの場合は、仲介業者を挟んで交渉したり買主の資金調達を待ったりする必要がなくなるというメリットもある。
仲介手数料がかからない
仲介手数料は、売買を斡旋した仲介業者への報酬という意味合いがあるため、当事者間の直接売買においては発生しない。3,000万円で成約した場合、仲介手数料が最大で105万6,000円(税込)もかかってしまうため、仲介手数料がかからないという点は大きなメリットといえるだろう。
買い取り業者に直接売却する2つのデメリット
買い取り業者に直接売却するデメリットは主に以下の2つである。
- 相場以上の価格で売却できる可能性が低い
- 買い取り対象となる物件の条件が厳しい場合がある
買い取り業者は相場をよく知るプロであるという点を認識しておこう。
相場以上の価格で売却できる可能性が低い
買い取り業者のビジネスモデルは、基本的に売主から物件を買い取った後、利幅を乗せて他の第三者に売却するものである。つまり、買い取り業者からすれば「いかに物件を安く購入するか」が重要なので相場通りの値での売却は期待できない。買取業者は自社の利益を詳細かつ厳格に管理していることが多く、買い取り価格の提示については一般の個人よりもシビアである場合が少なくない。
物件の買い取りをプロとして、ビジネスとして行っている買主が相手であるということを認識しておく必要があるだろう。時間やコストがかかっても相場価格より高く売りたいと考えている場合は、仲介業者を経由して高く買ってくれる買主をじっくりと探すのが無難と言える。
買取対象となる物件の条件が厳しい場合がある
買い取り業者は物件の買い取りのプロである。ビジネスとして行っているため、買い取る物件を絞っていることが往々にしてある。買い取り業者がチェックする条件は、主に以下が挙げられる。
- 所在地(23区内のみなど)
- 築年数(築20年以内のみなど)
- 構造(RC造のみなど)
- 利回り(10%以上のみなど)
上掲のような各項目に定量的な条件を設定し、買い取った後に流通させやすい物件のみを購入対象としている買い取り業者も多くいる。全ての物件が買い取り対象になるわけではないという点を認識しておこう。
買い取り業者を選ぶ際の3つのポイント
物件を売却する買い取り業者を選ぶ際に知っておくべきポイントは、主に以下の3つである。
- 複数の買い取り業者に査定依頼をする
- 買い取り実績が豊富な業者を選ぶ
- 購買力のある業者を選ぶ
複数の業者を比較して、実績や資金力といった観点から安心して取引ができそうな業者を選ぼう。
複数の業者に査定依頼をする
少しでも高い価格で、かつ安心して売却できる買い取り業者を見つけるためには、複数の業者に査定依頼をして、各社の提示価格や取引実績等を比較するのが得策だ。
1社にしか査定依頼をしないと、提示された価格が高いか安いかの判断材料がない。そのため、より高値で売却できるチャンスを逃してしまうかもしれない。複数の業者を比較することで、相場価格を知り、各社を相対化したうえで売却判断ができるだろう。
買い取り実績が豊富な業者を選ぶ
買い取り業者を選定するにあたって、買い取り実績の多さは重要な判断材料の一つになる。
買い取り実績が多い業者は、多くの物件取引に携わってきたことから、売却までのスピードや手続のスムーズさ、万が一トラブルに発展した際の対処の適切さといった点で優れている可能性が高い。その業者が買い取りを行ってきた年数や累計買い取り件数といった数字をホームページ等で参照するといいだろう。
購買力のある業者を選ぶ
購買力とは、その買い取り業者の資金力のことで、どれだけ多くの資金調達ができているかを指す。
大きな金額の資金調達ができている業者ほど、売主に提示できる金額を上げられる余裕があるうえ、取引の途中で資金ショートして売買が破談になるリスクが低くなる。自己資金を多く持ち、金融機関からの融資枠に余裕のある業者のほうが安心して取引できる可能性が高いといえるだろう。
サブリース中の物件は要注意!
売却する物件がサブリース中の物件である場合には、サブリースの契約内容をよく確認しておく必要がある。サブリース中であることが理由で買い取り業者の買い取り対象外になったり、サブリースの解約を買い取りの条件とされたりする可能性があるためだ。契約期間の途中でサブリースを解約すると、数ヵ月間の解約予告期間がある場合や違約金が発生する場合があるため、契約書を詳しく見直しておくといいだろう。
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(提供:manabu不動産投資 )
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