この記事は2022年7月19日に「月刊暗号資産」で公開された「米コインベースがイタリアで暗号資産サービスプロバイダーとして認可」を一部編集し、転載したものです。


coinbase,コインベース
(画像=Wirestock/stock.adobe.com)

米暗号資産(仮想通貨)取引所大手のコインベース(Coinbase)が18日、イタリアで暗号資産サービスプロバイダーとしての認可を受けたことを発表した。

このライセンスは、イタリアで金融業者とクレジット業者を監督し、マネーロンダリングを防止する「Organismo Agent e Mediatori(OAM)」の認可条件を満たすことで取得することができる。OAMは、暗号資産やカストディ、その他のサービスを提供する企業が一定の基準を満たすことを義務付けたものだ。

コインベースはアイルランド、英国、ドイツなど欧州の約40ヵ国にサービスを展開しているが、米国で展開するサービスの全てを提供しているわけではない。そのため、顧客や機関投資家等に向けた暗号資産の商品を販売することを目指し、現在は欧州の各国、地域で規制登録を行っている。

同社のナナ・ムルゲサン(Nana Murugesan)国際事業開発担当副社長は「私たちは事業を展開している地域の規制当局と建設的な関係を築いている。それは世界中で経済的自由を高めるという私たちの使命に向かう上で非常に重要なことだ。今回の認可取得は、イタリアの金融規制当局との緊密な連携と、積極的な協力関係の証しとなる」とライセンス取得に関する成果を語った。

また、「当社が欧州の各地域で成長を続けている中で、規制当局と良好な関係を維持することは、暗号資産市場において、最も信頼され、なおかつ、安全なプラットフォームであり、顧客が望む商品を提供し続ける保証ともなる。わが社の暗号資産関連商品を可能な限り提供していくつもりだ」と声明で述べた。

現在、様々な国において暗号資産規制に関する取り組みが見られているものの、世界共通の規制策定は進んでいない状況だ。

欧州連合(EU)は今月、暗号資産企業がEU圏内におけるデジタルトークンの発行や販売を行う際、ライセンスと顧客保護措置が必要となるという包括的な規制案に合意している。欧州では今後も暗号資産規制に関する動きが加速していく可能性がある。(提供:月刊暗号資産