この記事は2022年7月19日に「月刊暗号資産」で公開された「グレースケール、「暗号資産の冬」の期間を算出」を一部編集し、転載したものです。
米暗号資産(仮想通貨)運用企業グレースケール(Grayscale)が17日、「弱気相場の展望(Bear Markets in Perspective)」と題したレポートを発表した。
このレポートでは、「暗号資産の冬の期間について算出した」と述べており、「全ての金融市場にはサイクルがあり、頂点から底、回復期間で構成される。従来の経済・金融市場同様、暗号資産市場にもサイクルがあり、平均して4年または1,275日間続く」と指摘している。
グレースケールによれば、実現価格が現在の取引価格である市場価格を下回った時、サイクルを定量的に定義することができるという。
実現価格とは、総資産の購入価格、あるいは実現時価総額の合計をその資産の時価総額で割ったもので、デリバティブなどの影響を加味せず、単純な市場価格よりも現物取引額を知るために適している。
レポートによると、「2022年6月13日、ビットコインの実現価格は市場価格を下回った。現在はビットコインの最高の買い時でもある。通常のサイクルでは、実現価格が市場価格を下回った時点を、買いのチャンスの始まりと捉える見方がある」と述べている。
その上で、「過去のサイクルと比較すると、あと250日間は価値のある買い場となる可能性がある」と説明した。
また、暗号資産はピークに達するまで毎回長い時間を要すると指摘。
具体的な日数について、「2012年は603日かかり、2016年は786日、2020年は952日でピークを迎えた。一方、底をつけるまでの期間は、2012年が1,290日、2016年が1,257日かかり、2012年は73%下落するのに391日、2016年は84%下落するのに364日間かかっている。2020年サイクルでは、2022年7月12日時点で1,198日となっており、これは実現価格が市場価格を上回るまで残り約4ヵ月間かかることになる。ビットコインは史上最高値を記録してから現在222日経ったことから、あと5~6ヵ月間は下降あるいは横ばいの値動きとなる」と見解を示した。
一方で、「暗号資産史上の現在の低迷は、業界にとって致命的なものではなく、次ぎのステップに進むために必要なことだ。これらの市場サイクルを経験することで、エコシステムはより強固なものになっていく」と述べ、長期的に見た際には必要な調整期間であることを強調している。
グレースケールはレポートの最後で、「私たちは暗号資産業界を支えるテクノロジーがデジタルライフにおける革命をもたらす可能性があることを信じている」と述べ、「インターネットの新たな段階への進展を促すものになる」と今後の暗号資産の成長に対し期待感を寄せた。(提供:月刊暗号資産)