この記事は2022年7月25日に「月刊暗号資産」で公開された「FTX、韓国大手取引所Bithumbの買収に向け交渉か」を一部編集し、転載したものです。
大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXが、韓国の大手暗号資産取引所Bithumbの買収に向け交渉していることがわかった。23日、Bloombergが報じた。
Bloombergによると、FTXは水面下で数ヵ月前から交渉を行っていたようだ。現在、交渉は後期に差し掛かっているとしているが、BloombergおよびBithumbから正式な発表はない。
Bithumbは韓国の大手暗号資産取引所だ。記事執筆時点で約900億円の現物取引高を記録しており、全体では21番目に位置する。
最近では、5月のテラショックに起因して、Terraforms Labsの捜査の一環で取引所の事務所に家宅捜索が行われていた。
現在、FTXは積極的な企業買収を図り様々な動きを見せている。先日には、FTXおよび同取引所の米国法人であるFTX USが、暗号資産関連企業を中心としたさらなる企業買収を見据え新たな資金調達を計画していることが判明した。FTXとFTX USは今年1月にもそれぞれ4億ドル(約550億円)を調達しており、同額規模の資金調達を目標として掲げたとされている。
今年に入りFTXの企業買収は加速度を増しており、2月にはLiquid Groupを買収した。Liquid Groupは日本で暗号資産取引所Quoineの親会社であったことから、買収を通じてFTXは日本進出を果たした。日本人向けサービスであるFTX Japanは先月サービスを開始している。
また、現在市況の悪化に伴い経営難に陥っている暗号資産関連企業の救済に向けた動きも見せている。
FTXのCEOであるサム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)は企業の救済について、「業界の安定と顧客保護のために必要なことであれば、条件の悪い取引でも構わない」と述べるなど、今後さらに企業の救済と事業拡大に向けた買収を行っていく姿勢を見せている。(提供:月刊暗号資産)