この記事は2022年7月25日に「月刊暗号資産」で公開された「ビットコインなど主要銘柄下落 FOMC前に警戒する動き」を一部編集し、転載したものです。
22日に発表された7月の米総合購買担当者景気指数(PMI)は約2年ぶりに50を下回ったことを受け、米株価は主要3指数が揃って下落した。米金融当局はインフレを抑制するため、さらなる利上げを行うことが予想される。
NYダウ平均は前日比137.61ドル安(0.43%)の31,899.29ドル、ナスダック指数は前日比225.50ポイント安(1.87%)の11,834.11ポイント、S&P500は前日比37.32ポイント安(0.93%)の3,961.63ポイントで終えた。26、27両日には米連邦公開市場委員会(FOMC)会合が開かれる。FOMC前の金融市場では売り圧力が強まる傾向があり、今回もリスク回避の動きが見られている。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、物価の安定を取り戻せなければ、米経済をリセッション(景気後退)に追い込むよりも「大きな過ちにつながるだろう」と述べている。
暗号資産(仮想通貨)市場もアジア時間開始と共に下落した。FOMCでサプライズがある可能性を警戒し、投資家が資金を引き上げ、現金化する動きが強まっているものとみられる。
ビットコイン(BTC)は2万3000ドル(約313万円)にタッチし、記事執筆時点では2万1900ドル(約299万円)前後を推移している。一時は2万4000ドル(約327万円)を上抜け、22日までの約1ヵ月間で15%ほどの上昇となったものの、FOMCの前に利確する動きが強まっている。イーサリアム(ETH)も1600ドル(約21万8,000円)を超えていたが、記事執筆時点では1520ドル(約20万7,000円)台を推移している。
暗号資産および株式市場は双方ともに、FOMCでサプライズがなければ買い方が増え、上昇する可能性も考えられる。
ジャネット・イエレン(Janet Yellen)米財務長官はNBC局「ミート・ザ・プレス」において、「雇用創出ペースがやや減速する可能性が高いが、それはリセッションではないだろう」と述べた。また、インフレ率について「あまりにも高すぎる。金融当局はインフレを鈍化させる政策を実行する責務を負っている。現在の政策については成功すると見込んでいる」と語り、インフレ抑制に向けた金融引き締めを継続する姿勢を見せた。
さらに、現状の米経済について「1ヵ月で40万人の雇用を創出している状況はリセッションではない」と強調している。
今週はFOMCの他に、6月PCE(Personal Consumption Expenditure=個人消費支出)価格指数が発表されるため、動向を注視する必要があるだろう。(提供:月刊暗号資産)