この記事は2022年7月28日に「月刊暗号資産」で公開された「世界で最も暗号資産の環境整備が整った国調査で香港が首位 日本は圏外」を一部編集し、転載したものです。
FX取引等を提供するForex Suggestは27日、世界で暗号資産(仮想通貨)に関する環境整備が整っている国・地域について調査したレポートを発表した。
今回、暗号資産ATMや暗号資産に関わる法律および税制、ブロックチェーンスタートアップなど、暗号資産に関連した関心度が高い国の調査を行った。
Forex Suggestの調査によると、香港が最も暗号資産に関する環境整備が整っており、普及に適した国・地域であるという結果になった。スコアは10ポイント中8.6ポイントとなっている。
香港は国土が狭いということもあり、暗号資産ATM1台あたりの人口比が最も高い。さらに、香港では暗号資産のキャピタルゲインは非課税であり、投資家にとって魅力的な国となっている。
また、2位は米国で、スコアは7.7ポイントであった。米国では暗号資産ATMの設置台数が非常に多く、約3万4,000台が設置されている。これは競合国の10倍以上、10万人あたり10.1台となっており、他国と平均して3.6台多い数字だ。
3位はスイスで、7.5ポイント。暗号資産ATMの数が多く、キャピタルゲイン税が課せられないことなどが順位を上げる要因となった。
今回の調査では、管轄区域の人口と国土の大きさに比例した暗号資産ATMの設置数と、10万人あたりのブロックチェーンスタートアップの数、個人向け税制、検索件数などを元にランク付けを行っている。そのため、国土が狭く、税制の優遇や暗号資産の検索ボリュームが多い香港が1位となった形だ。
暗号資産への課税が低い国・地域としては、1位として、香港やスイス、パナマ、ポルトガル、ドイツ、マレーシア、トルコを挙げている。
暗号資産取引で得た利益に課せられるキャピタルゲイン税が免除されることは投資家にとって大きい。香港では、暗号資産をデジタル資産商品として扱っているため、キャピタルゲインが適用されないという。また、スイスは暗号資産をキャピタルゲイン税の対象外としている。
ブロックチェーンスタートアップが多いのはスイスで、10万人あたりでは12.9社となった。スイスの金融当局による積極的なアプローチと支援で同領域の産業は活況を見せており、14のスタートアップが10億ドル(約1,350億円)以上の価値を有している。
世界で最も暗号資産に興味のある国では、オーストラリアが首位に立った。暗号資産の検索件数が10万人あたり4,579件を超えており、3,472で2位のアイルランド、3,409件で3位の英国を大きく離した。オーストラリアでは人口の18%が暗号資産を保有しているとされている。
なお、日本はいずれの項目においても圏外であった。日本では暗号資産ATMが撤去されたことに加え、最高税率55%の総合課税に分類される税制等がランキングに大きく影響した形と言える。(提供:月刊暗号資産)