この記事は2022年8月11日に「月刊暗号資産」で公開された「米CPIの発表受け暗号資産大幅上昇 イーサリアムは最後のテストネットでアップデート実施」を一部編集し、転載したものです。


イーサリアム
(画像=PIXTA)

11日の暗号資産(仮想通貨)市場は全面高となっている。

ビットコイン(BTC)は10日に一時2万3,000ドル(約310万円)を下回ったものの、記事執筆時点では2万4,500ドル(約326万円)ほどを推移。また、アルトコインではイーサリアム(ETH)が前日比約13%の上昇を見せ、一時1,900ドル(約25万2,000円)を突破した。

暗号資産価格は米CPI(消費者物価指数)の発表を受け上昇した格好だ。

米CPIは前年同月比で8.5%となり、市場予測の8.7%を下回った。また、エネルギーおよび食品を除くコア指数の上昇率も5.9%と、市場予測の6.1%を下回っている。この結果を受け過度な金融引き締めに対する警戒感が薄れ、暗号資産市場にも資金が流入した。

米CPIの結果を受け、米株式市場も大幅上昇となった。ダウ平均は前日比503.79ドル(1.54%)増の33,309.51ドル、ナスダックは前日比360.88ポイント増の12,854.81ポイント、そしてS&P500は87.77ポイント(2.13%)増の4,210.24 ポイントで取引を終えている。米長期金利が低下したことを受け、ハイテク株を中心に上昇した。

今回のCPIの結果を受け、9月開催の次回FOMC(米連邦公開市場委員会)において6月、7月を超える1%の利上げが行われる可能性が後退したとも言える。FRB(米連邦準備理事会)でもパウエル議長をはじめ一部理事の間では加速度的な利上げについて慎重な姿勢が見られており、次回の利上げ幅は据え置きになる可能性もある。

暗号資産市場では、引き続きイーサリアムの動向に注目が集まる。そのイーサリアムは11日、テストネット「Goerli」において大型アップデートである「マージ(The Merge)」の実装が完了した。

Goerliは最後のテストネットだ。テストネットにおいて大きな問題がなければ、9月19日のマージ実装の可能性が大きく高まる。経過に問題がなければ9月上旬にも本番環境への実装に向け「Bellatrix」が実施される見込みだ。

今後、暗号資産市場ではイーサリアムのアップデート動向や価格推移が影響を及ぼす可能性が十分に考えられる。(提供:月刊暗号資産