この記事は2022年8月17日に「月刊暗号資産」で公開された「米ブラックロック、ビットコイン投資信託を初提供」を一部編集し、転載したものです。
世界最大の資産運用企業であるブラックロック(BlackRock)は10日、米国の機関投資家向けに、ビットコイン(BTC)の私募投資信託の提供を開始したことを発表した。
この投資信託はブラックロックが初めて提供する現物ビットコインへ直接投資することが可能な商品だ。なお、ブラックロックは現時点で詳細を明らかにしていない。
同社はブログ投稿で、「暗号資産市場の急落にも関わらず、一部の機関投資家は当社の技術や商品を利用して効果的でコスト効率良く、暗号資産(仮想通貨)領域への投資について関心を示している」と述べた。
ビットコインは現在、昨年11月に記録した最高値である6万9,000ドル(当時約790万円)から60%以上低い水準にある。それでも、投資家の間では暗号資産市場と株式市場の相関性の高さを踏まえた上で底値が見えたとの認識が広がりつつある。11日、ビットコインは2万4,700ドル(約329万円)を超え、6月の安値以前の以来の高水準まで上昇した。
ブラックロックはブログで、「ビットコインは暗号資産の中でも最も伝統があり、最大で、最も流動的だ。暗号資産領域において、当社の顧客が関心を寄せる主要な商品である」と説明している。
今回の発表はCEOのラリー・フィンク(Larry Fink)氏が今年始め、ブラックロックの顧客がステーブルコインやブロックチェーンを含むデジタル通貨に「ますます関心を示している」と述べたことを受けて行われたものとみられる。
ブラックロックはエネルギー関連の非営利団体であるロッキーマウンテン研究所(RMI)とエナジーウェブ(Energy Web)の「ビットコインのマイニングにおける持続可能なエネルギーの使用の透明性を高める」という活動を取り上げ、「これらの取り組みに関する進捗を追っていく」と付け加えた。また、暗号資産について「我々の顧客と資本市場により利益をもたらす可能性がある」との見解を示した。
先週、ブラックロックは米大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)と提携した。ポートフォリオ管理システム「Aladdin」に「Coinbase Prime」を導入し、クライアントにビットコインの取引やカストディなど市場データを提供することを発表している。(提供:月刊暗号資産)