この記事は2022年8月20日に「月刊暗号資産」で公開された「ケネディクス、国内最大約70億円の不動産STOによる資金調達完了」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=denisismagilov/stock.adobe.com)

不動産アセットマネジメント企業・ケネディクス(KDX)は19日、資産規模146億円の物流施設を裏付け資産として、発行価格の総額が69億1,500万円(発行価額の総額66億3,148万円)となる日本最大の不動産STOによる資金調達を完了し、「ケネディクス・リアルティ・トークンロンコプロフィットマート厚木Ⅰ(譲渡制限付)」の運用を開始したことを発表した。

物流施設は、主要高速道路からアクセスが良いロケーションであり、テナント需要もある大規模物流施設となる見込みもある。上場企業を中心としたテナント構成による安定的な賃料収入が期待できるという。

今回の不動産STOは発行数が6915口、一口あたり100万円で、運用期間は約7年間となっている。主幹事会社は大和証券株式会社で、信託受託者は三菱UFJ信託銀行。還元利回り(直接還元法)は3.2%だという。

STOとは、セキュリティ・トークン・オファリング(Security Token Offering)の略称。ブロックチェーンにより権利移転などを行うデジタル証券「セキュリティ・トークン」を発行し、資金調達を行う手法だ。投資家は投資対象資産を裏付け資産としたセキュリティ・トークンを取得する。

不動産STOは裏付け資産を不動産とするもので、実物不動産よりも売買流動性が高く、小口での投資も可能となる。また、ブロックチェーンの活用で資金決済の短縮化、費用抑制という効率化も図ることができる。株主優待等のデジタル化による新たな価値や体験の提供、デジタル証券取引所との連携による流通市場の整備など、さらなる利便性の向上やコスト削減が見込まれている。

KDXは昨年8月、日本初の公募型不動産STOを実施した。渋谷区の鑑定価格27億4,000万円の賃貸マンションを裏付け資産とした物件の受益証券をデジタル証券化し、1口100万円の2口以上で投資を募ったところ、発行価格総額の14億5,300万円を超える申込みがあったという。

今回の不動産STOの仕組みは、KDXのグループ会社が裏付け資産となる不動産を拠出、受益証券発行信託と呼ばれる仕組みで発行される受益証券をデジタル証券化し、セキュリティ・トークンとして発行することで、そのデジタル受益証券を引き受け会社である証券会社が投資家に販売するもの。

デジタル証券化にあたり、三菱UFJ信託銀行の提供するブロックチェーン基盤「プログマ(Progmat)」を活用し、受益権原簿の電磁的記録・権利移転等を行っている。

KDXはデジタル技術を活用した証券化手法である不動産STOをREIT、私募ファンドに次ぐ、第三の事業の柱とすべく、具体的目標として市場全体で2兆5,000億円の不動産がセキュリティ・トークン化される未来を目指すという。(提供:月刊暗号資産