この記事は2022年8月21日に「月刊暗号資産」で公開された「リップル、為替業務の世界大手トラベレックスと提携 ブラジルでODLを導入へ」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=Naoki/stock.adobe.com)

米リップル社は17日、世界20ヵ国以上で展開する世界最大の外国為替業務専門企業トラベレックス(Travelex)と提携したことを発表した。

この提携により、トラベレックスはブラジルにてXRPベースのオンデマンド・リキディティ(ODL)を導入し、運用を開始するという。

同社はブラジルにおいてトラベレックス銀行を運営しており、ブラジル中央銀行から外国為替業務専門を行う銀行として登録、承認されている。トラベレックス銀行では送金や国際決済、ATM、他通貨プリペイドカードなど、多くのサービスを通じ、顧客の国際マネーへのアクセスを簡素化することを目的として業務が遂行されてきた。

リップル社のODLソリューションは、決済に最適な暗号資産(仮想通貨)XRPを活用することで、顧客は低コスト決済、送金先に事前資金を保有する必要がなく、瞬時に国境を超えた送金を行うことが可能だ。

リップル社のブラッド・ガーリンハウス(Brad Garlinghouse)CEOは、声明で、「ブラジルはラテンアメリカのビジネス拠点としての重要性、暗号資産に対する開放性、フィンテック・イノベーションを促進するという国全体の取り組みから、リップル社にとって重要な市場だ。今回、金融機関が顧客の悩みを解決するために暗号資産とブロックチェーン技術を採用する。私達は真の実用性を提供するソリューションの構築に注力しており、トラベレックス銀行のようなパートナーと協力し、ブラジルの顧客の利益のため、より効率的にマネーを動かす支援ができることを嬉しく思う」と述べた。

トラベレックスは今回のODL導入後、最初にブラジルとメキシコ間でのODL決済を提供する。

ブラジルは消費者保護とイノベーションの促進を両立させる枠組を構築するため法整備を進め、暗号資産業界の規制に対し積極的なアプローチを取ってきた。同時に2021年に機関投資家と個人投資家が急増したことで、ラテンアメリカでの暗号資産を採用することが急速に進んでいる。

トラベレックス銀行では、事前資金調達のコストをカバーする資本不足、しいてはそれが原因となり成長の妨げとなっている顧客に対し、より良いカスタマーサービスを提供することを検討してきた。ODLを利用することで、トラベレックスは即時決済と24時間365日のシステム稼働を実現し、ビジネスの成長をサポートしていく。

リップルは2019年にブラジルに支部を置き、Banco Rendimento、Remessa Online、Frente Corretora、Banco Topazio、B&T Câmbioと提携している。(提供:月刊暗号資産