この記事は2022年8月23日に「月刊暗号資産」で公開された「サムスン証券ら韓国証券大手7社、暗号資産取引所の開設に向け準備」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=TexBr/stock.adobe.com)

韓国の大手証券会社7社が、来年上半期に暗号資産(仮想通貨)取引所を開設する準備に取り掛かっていることがわかった。22日、韓国メディア・Newspimが報じた。

報道によると、暗号資産を含むデジタル資産取引所開設のため法人を設立する準備を進めており、今年下半期に金融機関当局から認可を受ける見通しだという。

ある証券会社関係者の話として「現在、内部では会社設立についての検討議論が終わっている。第4四半期に政府が暗号資産関連法律条項と規制緩和などが含まれた内容を発表後、具体的に進められる」と語ったようだ。

韓国最大の投資銀行・証券会社である未来資産証券は、グループの未来資産コンサルティングの傘下に子会社を設立し、暗号資産事業の準備に着手した。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、NFT(非代替性トークン)など、多様なデジタル資産サービスを研究・開発する人材の採用を行っているという。

サムスン証券は、ブロックチェーンベースの証券型トークンを開発する事業を進めている。昨年末、証券型トークン(ST)取引所プラットフォームの開発と運営、そしてブロックチェーンスマートコントラクト開発業務などを担当する人材を探していたが、確保には至らなかったようだ。

また、NH Investment&SecuritiesやShinhan Financial Investmentという大手証券会社の名前も挙がっているという。

各証券会社による暗号資産取引所事業への進出は、3月の大統領選で当選したユン・ソクヨル(尹錫悦)政府の暗号資産規制緩和を受けてのもの。金融委員会は、金融投資協会と証券業界が要求していた「暗号資産の権利法」の制定を促進する方針だ。

金融委員会は関連法を見直し、証券型トークンと非証券型に分かれた規制を一つの枠組みで運用可能となるデジタル資産基本法を推進する予定だという。これと共に、国内暗号資産の証券性の有無を審査することを明らかにしている。

証券業界は証券型トークンとNFT、暗号資産、暗号資産の受託およびウォレットサービスを提供するサービスの提供を検討しているという。証券業界関係者は「世界的に暗号資産取引が活発に行われており、市場規模は年々拡大している。証券会社も暗号資産とNFT事業に目を向けている」と話したようだ。

元々暗号資産への関心が高い韓国において、同国の金融大手が参入に乗り出した。ユン大統領は兼ねてより暗号資産規制の緩和に寛容な姿勢を見せていたことから、今後韓国において暗号資産を取り巻く環境が加速度的に変化する可能性もある。(提供:月刊暗号資産