この記事は2022年8月29日に「月刊暗号資産」で公開された「ポリゴン創設者ら、Web3.0に特化したベンチャーファンドで約69億円を調達」を一部編集し、転載したものです。
Web3.0ベンチャーキャピタル企業「シンボリック・キャピタル(Symbolic Capital)」が、Web3.0に特化したスタートアップファンドの運用を目的に5,000万ドル(約69億円)を調達したことがわかった。26日、Cere Networkの創設者であるケンジ・ワン(Kenzi Wang)氏が明かした。
シンボリック・キャピタルはイーサリアムのセカンドレイヤープロジェクトであるポリゴン(MATIC)の共同創設者、サンディープ・ネイルワル(Sandeep Nailwal)氏とワン氏が共同で立ち上げたベンチャーキャピタルだ。すでにWeb3.0ゲームスタジオの「Blink Moon」、P2Pチェスゲーム「Planet Mojo」、eスポーツプラットフォーム「Community Gaming」などに出資を行っている。
ネイルワル氏は新興国のスタートアップについて、「シリコンバレーの資金力のある創業者と比べて制約が多い」と指摘する。そうした背景がある中で、今回のWeb3.0スタートアップファンドでは資金の80%〜90%を新興市場の創業者ら割り当て、支援していくとtechcrunchに対し語った。
ネイルワル氏とワン氏は2019年にバイナンスラボ(Binance Labs)で知り合って以来、40社以上に共同出資してきたようだ。
ネイルワル氏はファンタジースポーツ企業など、「クリエイターエコノミー」関連のスタートアップに関心を持っているという。同氏は、「Web3.0ファンタジーではNFT(非代替性トークン)を持つことができ、プレイしていない時はそのNFTをレンタルすることもできる。したがって受動的な収入を得ることができ、さらにはプラットフォーム上でトークンを獲得できる」と述べ、特にGameFi分野に対する関心の高さを示唆した。
発展途上国では、低所得労働者の収入源としてAxie Infinity(アクシーインフィニティ)のようなPlay to Earnモデルのゲームが人気を博しているが、そのようなスタートアップに魅力を感じているという。
また、ネイルワル氏は暗号資産(仮想通貨)業界について、「これからの暗号資産のビジネスモデルは生活コストが低い環境下での持続可能な経済性を実現することが重要になる」と述べ、農村地帯の奥深くまで4Gネットワークの届いているインドのような場所を挙げた。(提供:月刊暗号資産)