この記事は2022年9月6日に「月刊暗号資産」で公開された「インド準備銀行、年内のCBDC試験運用に向けフィンテック企業や銀行と協議」を一部編集し、転載したものです。


タージマハル,インド
(画像=Akihito Kariya/stock.adobe.com)

インドの中央銀行にあたるインド準備銀行(RBI)が、年内のCBDC(中央銀行デジタル通貨)発行に向け、フィンテック企業や国営銀行と協議し、試験的運用に取り組むことがわかった。5日、現地メディア・MoneyControlが報じた。

MoneyControl に語った2人の銀行関係者によると、インド準備銀行はState Bank of India、Punjab National Bank、Union Bank of India、Bank of Barodaの4行に対してCBDCのパイロット版の発行、内部での試験的運用を依頼したという。

RBIのAjay Kumar Choudhary氏は今年7月、「RBIはホールセールとリテールの両領域で、CBDC発行の段階的な導入に取り組んでいる」と語っていた。

RBIが協議を重ねるフィンテック企業のリストには、米国に拠点を置くFIS(フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ)が含まれている。FISは、オフライン決済、プログラムによる決済、利子付きCBDCのほか、商業銀行が顧客の預金の一部を貸し出すことによって利益を得るフラクショナルリザーブの問題、金融包摂、国境を超えたCBDC決済など、各テーマについてインド準備銀行に助言をしているという。

FISのシニアディレクター・ジュリア・デミドヴァ(Julia Demidova)氏は、「FISはインド準備銀行と様々な関わり合いを持ってきた。私達の接続エコシステムをインド準備銀行に拡張することで、様々なCBDCのオプションを実験することができる。中央銀行が発行する法定通貨をデジタル貨幣の形でトークン化することができる」とMoneyControlに対し語った。

なお、先述の銀行関係者は「具体的な日時は不明であるが、インド準備銀行はパイロットプロジェクトを通じて今年中にCBDCを試験的に運用するだろう」と述べたという。

さらに、「暗号資産は以前から世界的に利用されてきたが、匿名性や中央機関の裏付けがないことなど、利用に伴うリスクがあり、最近では詐欺や金融犯罪事件に使用されている。インド準備銀行のような中央銀行や規制当局は、リスクを一部軽減する目的でCBDCの発行を計画している」と付け加えたようだ。

インド準備銀行はこれまでにも段階的にCBDCを導入していく姿勢を見せていた。先月27日には、同行のシャクティカーンタ・ダース(Shaktikanta Das)氏が米CNBCに出演し、「年末までに最初の実験を開始できる状態になるだろう」と述べている。(提供:月刊暗号資産