この記事は2022年10月9日に「月刊暗号資産」で公開された「Yuga Labsのメタバース「Otherside」の開発企業が約145億円の資金調達実施へ」を一部編集し、転載したものです。


メタバース
(画像=PIXTA)

人気NFT(非代替性トークン)「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」で知られるYuga Labsが手がけるメタバース「Otherside」の開発企業・Improbable社が、評価額36億ドル(約5,200億円)で新たな資金調達を行うことがわかった。Financial Timesが報じた。

Improbable社は英国に拠点を構える企業であり、今年4月にはソフトバンク・ビジョン・ファンド(SoftBank Vision Fund 2)や米a16z(Andreessen Horowitz)から1億5,000万ドル(当時約185億円)の資金調達を行っている。

Improbable社はメタバースの構築を今後の重要戦略として位置付けており、その一環として新たに1億ドル(約145億円)の資金調達を行う予定とのことだ。

同社は昨年、約1億7,000万ドル(約246億円)の損失を計上したが、共同創業者兼CEOであるハーマン・ナルラ(Herman Narula)氏は「我々の運命は劇的に変化するはずだ」と自信を覗かせる。

ナルラ氏はFinancial Timesに対し、「メタバース、つまり没入型の仮想空間の構築における方向転換により、2022年の売上は3倍の1億ドル以上になるはずだ」と語った。さらに、「現在、財務的に問題なくランニングさせることが可能であり、新分野でのサービスと市場の適合性を見つけることができたため、興味深い成長率を見せている」と付け加えた。

また、現在Yuga Labsと開発しているOtherside、Improbable社にとって収益の大部分を占めることになる可能性があるとの見通しを示した。

Improbable社は今月3日、「Improbable Strategy Day」と称したライブデモを開催。その中で1億ドルの資金調達に言及し、暗号資産(仮想通貨)のスケーラビリティ改善を目的とするプロジェクト・エルロンド(Elrond)が主導することがわかった。

エルロンドの創業者兼CEOであるベニアミン・ミンクー(Beniamin Mincu)氏は、「今回の投資はエルロンドにとって、Improbableとのより深いパートナーシップを開始する上で非常に重要なものだ」とコメント。さらに、「メタバースの価値と有用性が定義され、それが形成される重要な時期に、共に投資し構築できることを嬉しく思う」と述べた。

今後、両社はWeb2.0とWeb3.0を結びつけた新サービスを開発し、近日中に発表する予定だという。(提供:月刊暗号資産