この記事は2022年10月10日に「月刊暗号資産」で公開された「グレースケール、ビットコインマイニング機器特化型ファンドを設立」を一部編集し、転載したものです。
米大手暗号資産(仮想通貨)運用会社であるグレースケール(Grayscale)は6日、新たなファンド「Grayscale Digital Infrastructure Opportunities LLC(GDIO)」を設立したと発表した。
このファンドはビットコインのマイニング機器に対する特化して投資を行うものであるようだ。グレースケールと同じく、デジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)の子会社であるファウンドリ(Foundry)と協業し、同社のマイニングプールと運営ノウハウを活用していくという。
グレースケールによると、このようなファンドの仕組みは同社にとって初の商品となる。
営業利益の一部を四半期ごとに投資家に分配することを目指し、3年~5年の運用後、GDIOは資産処分を含む出口戦略を模索するという。最低投資額は2万5,000ドル(約363万円)で、資金調達は今年末までとしている。
グレースケールのマイケル・ソネンシャイン(Michael Sonnenshein)CEOは、「当社のチームはデジタル資産への直接投資、多様なテーマ商品群、そして今回のGDIOを通じたインフラへの投資など、暗号資産エコシステムへの投資の障壁を下げることに長い間取り組んできた」と発表で述べた。
また、ファウンドリのマイケル・コリア(Michael Colyer)CEOは「分散型インフラストラクチャに力を与えるというファウンドリのミッションの一環として、ビットコインマイニングに投資する機能拡大のためにグレースケールと提携する。当社の商品群、業界知識、ホスティング関係、世界第1位のプールであるファンドリUSAプールを通じ、当社のミッションを進展させるために取り組んでいく」と意気込みを語った。
グレースケールの発表によると、マイニング業界の過去のサイクルを見ると、マイニング機器を大幅な割引価格で購入する機会がまもなく到来する可能性があるという。こうした背景から、今マイニング機器などへの投資を行うことで、ビットコインマイニングを有利に進める機会を得ることができると説明した。
さらに、一般投資家がビットコインをマイニングして利益を得るために機器設備を調達し、保管、運営することはかなり難しい状況だとも指摘している。
現在、マイニング業界は逼迫した状態にある。グレースケールの投資部門責任者のシャリフ・アスカリー(Sharif Askary)は海外暗号資産メディア・Blockworksに対し、「ビットコインのマイニングは採算が合わない状態になっている。一部のマイニング企業は運営費やその他の経費を賄うためビットコインを売却している状況だ。今後、数ヵ月でマイニング機材は値崩れした水準価格で購入できる機会が生まれる予想される」と語った。(提供:月刊暗号資産)