この記事は2022年10月28日に「月刊暗号資産」で公開された「ビットコイン、Amazon株急落等の影響で下落 米PCEデフレーターの発表に注目集まる」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=Yury/stock.adobe.com)

27日の米株式市場は大手企業の決算発表に影響を受けた。

同日発表された米GDPが市場予測を上回る結果となったことに加え、キャタピラー社などの決算が良好であったこと、カナダ銀行の利上げ幅が縮小したことなどが好感視され、ダウ平均は194.17ドル(0.61%)高の32,033.28ドルで終えた。

一方、ハイテク株が集まるナスダックは前日比178.32(1.63%)安の10,792.68、そしてS&P500は前日比23.30(0.61%)安の3,807.30で終えるなど、明暗が別れる結果となった。

特に「GAFA」の決算が芳しくなかったことが影響を与えた。

Amazonが27日に発表した第3四半期決算では、前年同期比15%増の売上高となる1271億100万ドル(約18兆6,000億円)を記録したものの、市場予測を下回った。また、第4四半期の売上高見通しも市場予測を下回ったことから、Amazonの株価は時間外取引において一時20%ほど下落した。

27日にはAppleも決算を発表。売上高が市場予想を上回ったが、iPhoneの売上高が市場予想を下回るなど不安を残す結果となり、株価は前日比3.05%下落した。

さらに、26日に決算を発表したメタ(Meta)も株価を大きく落とした。27日の取引は前日比22.41%安の97.94ドルで終えている。

メタの第3四半期決算は、2四半期連続の減収。第4半期の売上高見通しが市場予想を下回ると共に、メタバース関連投資の損失が来年に大きく拡大するとの見方も示したことが売り圧力を強めた。

27日アジア時間の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)が一時2万1,000ドル(約307万円)ほどまで価格を上げるなど復調気配を見せた。しかし、米時間に移る頃にはハイテク株の下落が重荷となり価格を落としている。イーサリアム(ETH)も1,570ドル(約23万円)ほどまで上昇したが、ビットコインと同様に米株式市場の動向に左右された形だ。

アルトコインも軒並み価格を落としているが、ドージコイン(DOGE)が一時急騰する場面があった。米大手電気自動車テスラのCEOであるイーロン・マスク氏がTwitterの買収を完了したことを好感視し、0.085ドル(約12.40円)ほどまで上昇。その後、利益確定の動きが強まり記事執筆時点では0.075ドル(約11円)ほどで推移している。

日本時間28日夜には、米PCE(個人消費支出)デフレーターが発表される。物価の動向は、米FRB(連邦準備制度)の金融政策に大きな影響を与える。市場予想を大きく上回る結果になれば、次回FOMC(連邦公開市場委員会)での利上げ幅縮小観測が後退する可能性もあるため、注視する必要がある。(提供:提供:月刊暗号資産