この記事は2022年11月15日に「月刊暗号資産」で公開された「ビットコインなど暗号資産反発 FRB副議長は利上げペース減速を示唆」を一部編集し、転載したものです。


暗号資産(仮想通貨)のガチホは最強なのか?メリットや注意点をわかりやすく解説
(画像=iaremenko/stock.adobe.com)

米連邦準備制度理事会(FRB)のラエル・ブレイナード(Lael Brainard)副議長は14日、Bloomberg主催のイベントで、「利上げペース減速への移行が近く適切になるだろう」と発言した。その上で、「我々は多くのことをこれまで行ってきたが、追加でしなければならないことがある。それが強調すべき重要なこととなる」と続けた。

また、「累積的な引き締めが浸透するまでには時間がかかると思われる。そのため、インフレを徐々に低下させるような政策を確実に続けつつ、これまで以上に慎重かつ一段とデータに依存したペースに移行することは理にかなっている」と述べた。ブレイナード氏が示した金融引き締め緩和の予測が広がり、米株式市場は買いが先行した。

一方で、Amazonが大規模なコスト削減の一環として従業員の大規模削減を計画していることが判明すると、下落に転じた。Amazonはすでに新規採用を停止しているが、景気後退リスクも考慮し、事業環境の悪化を見据えて人件費の抑制に動き出す形だ。

結果的にNYダウ平均は前日比211.16ドル(0.63%)安の33,536.70ドル、ナスダックは前日比127.11(1.12%)安の11,196.22、S&P500は前日比35.68(0.89%)安の3,957.25で終えている。

暗号資産(仮想通貨)市場では、大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)CEOのチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏が14日にFTXの破綻による連鎖的な影響を軽減する目的で業界回復基金を設立する方針を示したことにより、反発する場面が見られた。

ビットコイン(BTC)は1万5,700ドル(約220万円)ほどから一時1万7,000ドル(約240万円)ほどまで上昇。イーサリアム(ETH)や主要アルトコインにおいても同様の動きが見られた。記事執筆時点では上昇も一服し、ビットコインは1万6,700ドル(約234万円)、イーサリアムは1,250ドル(約17万6,000円)ほどで推移している。

その反面、FTXとの関係性が懸念されるソラナ(SOL)については上値を重い。ソラナ(Solana)財団が14日、数千万ドル相当の暗号資産をFTXに保有し、またFTXの株式も324万株保有していると発表したことが要因になったと考えられる。

FTXの破綻を受け、各国の規制当局が暗号資産市場のさらなる規制強化を検討する状況になりつつある。その中で、FRBの金融規制担当副議長であるマイケル・バー(Michael Barr)氏は、「FRBは金融システムへのストレスに注意を払っている」と述べ、暗号資産に対する監督強化の可能性を示唆した。

さらに、バー氏は15日に上院銀行委員会で行う証言の原稿で「暗号資産の活動に関するリスクを監督するのは優先事項の1つだ」との文言を盛り込んだ。規制および監視の強化を訴え、伝統的な金融市場と暗号資産市場の相互性がより高まった際のリスクを考慮する必要があるとの考えを示した格好だ。(提供:月刊暗号資産