この記事は2023年1月23日に「CAR and DRIVER」で公開された「ステランティスが「空飛ぶクルマ」の生産協業を加速」を一部編集し、転載したものです。

ステランティスが「空飛ぶクルマ」の生産協業を強化

ステランティスが「空飛ぶクルマ」の生産協業を加速

ステランティスは2023年1月、「アーチャー社の電動垂直離着陸機(eVOLT=いわゆる「空飛ぶクルマ」)の主力機「ミッドナイト」の生産を協業するため、パートナーシップを大幅に強化する」と発表した。ミッドナイトの生産は米国ジョージア州で2024年から行う。この計画を実行するためにステランティスは、最大で1億1500億ドルの資本提供を行うという。ミッドナイトは航続距離約160km、最大積載量453kg、乗員は5名。

ステランティスが「空飛ぶクルマ」の生産協業を加速

2023年1月06日:プレスリリース

ステランティス、ARCHER(アーチャー)と電動垂直離着陸機(eVTOL)を生産、戦略的資金を提供

ステランティスとアーチャーが協力し、電動垂直離着陸機(eVTOL)「Midnight」を生産
高度な生産技術と専門知識、経験豊富な人材、資金を提供し、電動垂直離着陸機の生産に貢献
独占契約メーカーとして、アーチャーとeVTOLの大量生産を目標

ステランティスN.V.(NYSE / MTA / Euronext Paris: STLA)およびアーチャー・アビエーション Inc.(NYSE: ACHR)は、アーチャーの電動垂直離着陸(eVTOL)の主力機、「Midnight」を協業して生産するため、パートナーシップを大幅に強化することを発表しました。

ステランティスは、アーチャーと協力してジョージア州コビントンの生産施設を立ち上げます。アーチャーは、2024年に「Midnight」の生産を開始することを先日発表しました。「Midnight」は安全、持続可能、静かで、1,000ポンド(約453kg)以上の最大積載量を可能とし、4人の乗客と1名のパイロットを運ぶことができるよう設計されています。航続距離は100マイル(約160km)で、約10分間の充電時間で約32kmの短距離飛行が繰り返し可能です。

アーバンエア・モビリティ業界におけるこのユニークなパートナーシップでは、各社のそれぞれの強みと能力を活用して、「Midnight」を市場に導入します。今回のパートナーシップでアーチャーは、eVTOL、電動パワートレイン、認証の専門家から構成される一流のチームを提供する一方で、ステランティスは高度な生産技術と専門知識、経験豊富な人材、資金を提供します。両社は、アーチャーのビジネスプランに合わせてeVTOLの生産を拡大することを目的としています。さらに、アーチャーは生産に関し数億ドルの支出を回避することができることとなり、商業化への道筋を一層強化することができます。ステランティスの目標は、独占契約メーカーとしてアーチャーのeVTOLを大量生産することです。

ステランティスが「空飛ぶクルマ」の生産協業を加速

この取り組みの一環としてステランティスは、アーチャーが2023年の目標達成を条件として、2023年および2024年に、アーチャーへ最大1億5,000万ドルの資金提供を行います。また、将来的にステランティスは、株式市場でアーチャー株を取得することにより、アーチャーに対する戦略的出資比率を引き上げる予定です。これにより、さまざまな側面でパートナーシップが強化されるだけでなく、投資家としてアーチャーの長期的な経営基盤をともに形成することが可能になります。

「過去2年間、私たちはアーチャーと密接に協力してきましたが、彼らの豊かな発想力と仕事への断固たる取り組みには、常に感銘を受けてきました」と、ステランティス最高経営責任者(CEO)のカルロス・タバレスは述べています。
「戦略的投資家としてアーチャーとのパートナーシップを深め、出資比率を引き上げる計画を立てていることは、ステランティスが道路から空まで、持続可能なモビリティの自由を提供する限界を押し広げていることを示しています。生産に関する専門知識でアーチャーをサポートすることは、ステランティスが世界的な変革を先導する、もう1つの実例です。」

「ステランティスは、アーチャーの「Midnight」商業化に向けた歩みを継続的に確認しており、今回そのための重要なリソースを投入することで、私たちは先駆者として市場における力強いポジショニングを確保できるようになります」と、アーチャー創設者兼CEOのアダム・ゴールドシュタインは述べています。「私たちは、都市交通を一変させる類まれなチャンスを実現するために、今後も重要なステップをともに歩んでいきます。」

ステランティスは、2020年から様々な協力関係を通じてアーチャーの戦略的パートナーとなっており、2021年からは投資家としてアーチャー株を保有しています。この間アーチャーは、eVTOLの設計、開発、商業化に向けた取り組みの中で、ステランティスの生産、サプライチェーン、設計に関する豊富な専門知識を活用してきました。

ステランティスについて
ステランティスN.V.(NYSE / MTA / ユーロネクスト パリ:STLA)は、世界有数の自動車メーカー/モビリティプロバイダーです。ステランティス傘下のブランドには、アバルト、アルファロメオ、クライスラー、シトロエン、ダッジ、DSオートモビルズ、フィアット、Jeep®、ランチア、マセラティ、オペル、プジョー、ラム、ボクスホール、Free2move、Leasysが含まれ、先見の明のある創設者の情熱を受け継ぎ、革新的な製品とサービスを提供しています。ステランティスは、「Powered by our diversity, we lead the way the world moves」(私たちの多様性を原動力とし、世界的な変革の動きを先導する)というスローガンを掲げ、すべてのステークホルダーと事業を展開する地域のコミュニティに付加価値を生み出しています。そして、最大ではなく最高で持続可能なモビリティテクノロジー企業になることを目指しています。詳細につきましては、www.stellantis.com をご覧ください。

アーチャーは、アーバンエア・モビリティ・ネットワークで使用する電動垂直離着陸機の設計と開発を行っています。アーチャーの使命は、空を解き放ち、すべての人々が移動方法や時間の使い方を再構築できるようにすることです。アーチャーは、米国カリフォルニア州サンタクララを拠点としています。詳細につきましては、公式サイトにてご確認ください。
URL: https://www.archer.com/

2023年1月4日
アムステルダム/カリフォルニア州サンタクララ発

Writer:カー・アンド・ドライバー編集部(松澤)

(提供:CAR and DRIVER