この記事は2023年1月23日に「月刊暗号資産」で公開された「暗号資産の収益は「今後10年で16倍」 バーンスタインがレポートで予測」を一部編集し、転載したものです。
投資会社のバーンスタイン(Bernstein)が16日に発表したレポートで、2023年は今後10年間続く暗号資産アプリケーションにおけるイノベーションの基盤を築く年になるだろうと述べた。
バーンスタインは今後10年間で暗号資産市場の収益は約16倍に成長し、市場規模は2023年に想定される約250億ドル(約3兆2,280億円)から、2033年までに約4000億ドル(約51兆6,500億円)まで拡大すると予想した。
約4000億ドルの収益のうち、分散化された「ブロックチェーン主体の収益」は現在の15%から全収益の50%ほどを占める可能性があると記載した。また、オンチェーンの収益は現在の約40億ドル(約5,165億円)未満から、10年間で約2000億ドル(約25兆8,200億円)近くにまで増加するだろうとしている。
ブロックチェーンのスケーラビリティに関するイノベーションと、金融サービスや消費者向けの技術的セグメントにおよぶアプリケーションのテクノロジーが成長することで実現可能だと予測した。
消費者向けおよび金融サービスのアプリケーションのオンチェーン収益は、2022年の約40%から約75%になるだろうとレポートでは述べている。中でも、オンチェーンの金融サービスアプリケーションでは、DEX(分散型取引所)、融資、トークン化された製品等が主要な収益源になる可能性があるとした。また、オンチェーンの消費者向けアプリケーションにおいてはNFT(非代替性トークン)をベースにしたブロックチェーンゲームが成長の最大の原動力になると予想しているようだ。
バーンスタインは今年初旬、暗号資産市場において過去2回「暗号資産の冬」があったが、そのような時期からのリターンは目覚ましいものであったとレポートで述べた。
2021年のピーク時からみればビットコイン(BTC)は大幅に下落しているにも関わらず、2014年の安値から最大約60倍、2018年につけた底値から約5倍上昇している主要な暗号資産も存在すると指摘している。こうした背景から、暗号資産市場では安値を付けた後に「反撃」とも呼べる強力な価格上昇の実績があると述べた。
また同レポートでも、今後ゲームおよびSNS、NFTベースのデジタルコマースやブランドが採用されるようになることで、暗号資産市場における月間ユーザーは長期的に見た際、100倍にも増加すると指摘していた。(提供:月刊暗号資産)