この記事は2023年1月31日に「月刊暗号資産」で公開された「ビットコイン、FOMC前の利確売りで2万3000ドル割れ OASは前日比30%上昇」を一部編集し、転載したものです。


ビットコイン
(画像=Maximusdn/stock.adobe.com)

30日の米株式市場ではNYダウ平均が7営業日ぶりに反落し、前週比260.99ドル(0.77%)安となった。1月31日~2月1日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)を見据え、利確売りが優勢となった。

NYダウ平均に続き、ナスダックが前日比227.90(1.96%)安の11,393.81、S&P500が前日比52.79(1.30%)安の4,017.77で終えている。

FOMCでは景気後退の兆候が表面化することに伴い、これまでの政策を転換し、早期の利下げに踏み込む可能性が高まっている。こうした背景から、今回の会合では利上げ幅を0.25%に縮小するとの予測が先行している。利下げ幅は今年末までに1%に達する可能性があると見るアナリストもいる。

FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長はこれまで一貫してインフレ圧力を抑えるために利上げを継続していくことが必要だと主張してきた。しかし、景気後退懸念は日に日に強まっており、パウエル議長は難しい対応を迫られることになる。

FOMCで利上げ幅の縮小予測が広がる一方で、FRBとしては金融引き締めを早期に終了するとの印象を市場に対して与えるのは避けたい背景もある。そのため、FOMCの結果が市場の思惑とはかけ離れたものとなった場合、金融市場のボラティリティが急激に高まる可能性も考えられる。

31日には暗号資産(仮想通貨)市場でも利確決済やリスクオフの現金化などの動きが強まっている。

ビットコイン(BTC)は2万3000ドル(約299万円)を割り、記事執筆時点では2万2700ドル(約295万円)台で推移している。また、主要アルトコインも売られ、イーサリアム(ETH)は一時1550ドル(約20万1,900円)、ソラナ(SOL)やポルカドット(DOT)等も前日比5%前後の下落を記録している。

一方で、ドージコイン(DOGE)やライトコイン(LTC)など、一部の銘柄は上昇している。特に日本発のゲームに特化したブロックチェーン・OasysのネイティブトークンであるOASは国内暗号資産取引所ビットバンクへの上場が発表されたことを受け、前日比約30%上昇した。

株式市場および暗号資産市場ではFOMCが終了するまで方向感の見えない動きをたどることが予想される。特にFOMC終了後のパウエル議長の会見前後には乱高下する可能性もあるため、注意が必要となる。(提供:月刊暗号資産