この記事は2023年2月8日に「月刊暗号資産」で公開された「ソラミツがラオス中央銀行と共同でCBDC実証実験開始」を一部編集し、転載したものです。
ブロックチェーン開発等を行うソラミツは6日、ラオス中央銀行決済機構局とCBDC（中央銀行デジタル通貨）の実証実験を開始するための覚書（MOU）を締結したと発表した。
ラオス中央銀行は、ソラミツが開発したシステムを使用し、7日からビエンチャン市内において店舗での支払いなどの実証実験を開始するという。
この実証実験では、ラオス中央銀行、在ラオス日本大使館、独立行政法人国際協力機構（JICA）の関係者が参加する。今回の実証実験に基づき、ラオス中央銀行はCBDCの正式運用開始に向けて研究を進めていく。
ソラミツは、ラオスにおいて2021年12月から1年間、独立行政法人国際協力機構が開始したプロジェクトのもと、ブロックチェーン・ベースの最先端の決済インフラに関する実現可能性調査を実施したと説明。その後、ソラミツはラオス中央銀行と共同でCBDCの研究を継続し、実証実験開始の合意に至ったという。
今回の実証実験には、2020年10月からカンボジアでの正式運用を開始し、以降2年以上に渡り順調に稼働した実績のあるソラミツ提供の「バコン」システムをベースとして、ラオス向けに修正したシステムを使用した。
なお、実証実験のプロジェクト名は「DLAK」（Digital Lao Kip：デジタルラオスキープ）となる。
実証実験の運用は、ラオス中央銀行がCBDCを生成し、仮設の商業銀行に発行する。その後、商業銀行はCBDCを個人に送信し、個人がCBDCを使用して店舗で支払うことができる。
店舗はCBDCを別の仮設の商業銀行に送金する。最後にラオス中央銀行がその商業銀行からCBDCを回収するといった流れだ。
実証実験の運用の流れ
今回の実証実験から得られた結果は、CBDCの正式運用開始に向けた検討に活用されるという。
実証実験の実施についてラオスは「銀行口座にアクセスできない人々にデジタル金融サービスを提供するために、より広範な国民への金融包摂の提供」「近隣諸国などの移民先から国際送金の送金時間と送金コストの削減」「他国に依存しない通貨を通じて経済安全保証を確保するなど決済システムの高度化を促進」の3つを挙げた。（提供：月刊暗号資産）
