トヨタのコンパクトSUVであるライズ。そのオーナーになると、どれほどの維持費が必要になるのでしょうか。そこで、新車を購入してから、最初の車検がやってくるまでの3年間にかかる費用を計算してみました。文・鈴木ケンイチ/写真・PBKK
ライズに乗っていると必要な費用とは
車の維持費として、絶対に必要となるのが、税金、保険、燃料費、そしてメンテナンス費用となります。そして、これらの額は、車によって異なります。
これらの必須の維持費のひとつが税金です。そして車の税金は、ひとつではなく、複数が存在します。ざっと挙げれば、「環境性能割」「自動車重量税」「自動車税種別割」(一般的に「自動車税」とよばれています)があります。さらに車という商品を購入すると、別途「消費税」もかかります。
ただし、これらの税金は、それぞれ支払うタイミングが異なります。新車購入時に課せられる税金は、「環境性能割」「自動車重量税」「消費税」となります。このうち「自動車重量税」は、車検ごとにも課せられます。
そして、新車が納車された後には、「自動車税」を毎年1回、支払うことになります。つまり、新車購入から車検までの間は、この「自動車税」だけが、税金の維持費となります。
続いて必須の維持費となる保険。これには2種類が存在します。ひとつは法律で加入が定められている「自賠責保険」。絶対に加入しなくてはいけないため「強制保険」と呼ばれることもあります。
そしてもう一つの保険が、保険会社が用意する自動車保険です。これは、法律で定められていないため、加入は「任意」となります。そのため「任意保険」と呼ばれています。任意なので、加入しなくても法律的には問題ありませんが、実社会的な見地からすれば、これも加入が必須となります。
なぜなら、万一の交通事故で加害者となった場合、「自賠責保険」だけでは、求められる補償金をカバーできない可能性があるからです。しかし、「任意保険」に入っていれば、そんな危険を回避することができます。一生涯をかけて支払う補償金という借金を背負わないために「任意保険」は絶対に加入する必要があります。
燃料費は、車を使うほど必要になります。その額はどれほどになるのかは、購入した車の燃費性能次第となります。
最後のメンテナンス費用。車は、法律で定期的な点検を実施することが定められています。また、エンジンオイルやブレーキパッドなどの消耗品を交換しないと故障や事故の原因にもなりかねません。これも必須の費用となります。
「自動車税」はエンジンの排気量によって決まる
新車を購入した後、車検までの間、年に1回、支払う税金が「自動車税」です。毎年4月1日に、その車を所有している人に対して、請求書が届くようになっています。国税ではなく、地方税ということで、在住している都や県に納めます。
「自動車税」の税額は、エンジン排気量に応じて決まります。ライズのエンジン排気量は、4WDのターボ・モデルが996㏄、2WDのエンジン車が1196㏄、ハイブリッドも1196㏄となります。そのため税区分は、4WDのターボ・エンジン車は「1リットル以下」で2万5000円。2WDのエンジン車とハイブリッドは、「1リットル超~1.5リットル以下」の3万500円。3年分となると、ターボ車は7万5000円、それ以外は9万1500円となります。
任意保険は、加入者と車、補償の内容で保険料が変わる
車の保険は、「自賠責保険」と「任意保険」の2つがありますけれど、「自賠責保険」は新車購入時と車検時に加入します。そのため、新車が納車された後から、最初の車検までの間の3年間の保険は「任意保険」のみとなります。
「任意保険」は、保険会社が用意しているもので、1年ごとに加入します。その保険の額は、車種、加入する人の年齢、過去の保険の経歴、補償内容によって異なります。どんな範囲で、どれほどの額を補償するのかは、自分で選ぶことができます。ここで注意が必要なのは、同じ条件でも、保険会社によって保険料が異なるということです。そのため厳密な任意保険の額は、人それぞれ異なります。ここでの数字は、あくまでも目安であると理解してください。
今回は、ライズのハイブリッドを、25歳の人が、初めて購入する車として、車両保険も含めて、ネット保険で見積もりを取ってみました。すると、保険額は6万6080円、車両保険が8万0650円、合計で14万6730円でした。「任意保険」は、事故なく過ごせば、2年目、3年目と保険料は割引となりますが、今回は目安ということで、割引なしで計算すると、3年分で44万190円となります。
燃費性能次第となるのが燃料費
車の燃料費は、どれだけ走ったかということと、燃費性能次第となります。目安として、年間1万kmを走るとして計算してみましょう。ライズのハイブリッドの燃費性能は28.0㎞/l(WLTCモード)です。年間に1万㎞を走行するときに必要となる燃料は約357リッター。ガソリン価格を1リッター160円で計算すると、ガソリン代は5万7120円。それが3年間となると17万1360円。これが3年間の燃料費となります。
先払いで安くなるパックのメンテナンス費用
メンテナンス費用は、定期的な点検とオイルやブレーキパッドなどの消耗品の交換にかかる費用です。その目安と言えるのが、ディーラーが用意しているメンテナンスパックというサービスです。これは必要なメンテナンス内容を決めて、先払いとするかわりに、料金を安くするというもの。
トヨタも、各ディーラーがメンテナンスパックを用意しています。ただし、このサービスは、自動車メーカーであるトヨタの本社ではなく、ディーラーごとに実施されているため、その価格はディーラーごとに異なります。そのため、ここでの数字も目安と考えてください。その一例としてのライズの3年間のメンテナンス費用は、車検なしの点検のみで5万7000円となります。つまり、3年間のメンテナンス費用は5万7000円が目安となります。
総額はいくら
以上のように求めた維持費をプラスすると以下のようになります。
「ライズハイブリッド」の場合
自動車税:9万1500円
任意保険料:44万0190円
燃料費(ガソリン代金):17万1360円
メンテナンス費用:5万7000円
合計:76万0050円
ライズの3年間の維持費を計算したところ、その合計は76万0050円となりました。ただし、このうち約24万円が車両保険となります。車両保険に加入しない場合は、50万円ほどになります。SUVとしては、かなりリーズナブルと言えるでしょう。