【レビュー】『ウイスキーは楽しい!【増補改訂版】』
『ウイスキーは楽しい!【増補改訂版】』を読んで感じた、良い点と物足りない点を紹介します。
良い点
本書の良い点は、以下の3点です。
- イラストが豊富で分かりやすい
- 実用的でユニークな情報が充実している
- 最新情報が載っている
イラストが豊富で分かりやすい
本書はイラストが豊富で、ウイスキーの製造工程や産地などが分かりやすく説明されています。
ウイスキーの製造は工数が多く複雑ですが、本書では一つ一つの工程が端的かつイラストとセットで解説されているので、すんなり頭に入ります。
ウイスキーの産地を解説する章では、蒸留所マップのみならずフレーバーの特徴や歴史も掲載されていて、各地のウイスキーの特徴が理解しやすいです。
実用的でユニークな情報が充実している
本書には実用的でユニークな情報が数多く掲載されています。
ユニークな情報とは、一般的なウイスキー専門書には載っていない以下のような情報です。
- テイスティング会の開き方
- 二日酔いの予防と対処法
- シチュエーション別・ウイスキーの選び方
- ホームバーのつくり方
- ウイスキーの料理への活用法
他にも多くの情報が掲載されており、「へえ」と思わせる豆知識コラムも豊富に載っています。
つい試したくなるウイスキーの楽しみ方や実用的な情報が満載で、読めばワクワクした気持ちになりますよ。
最新情報が載っている
本書にはウイスキー業界の最新情報が掲載されています。
特に新鮮と感じたのは、以下のような最新トレンドや世界のウイスキー事情です。
- テクノロジーの進歩によって生まれたウイスキー
- ウイスキーへの投資と価格のバロメーター
- ジャパニーズウイスキーの新基準
- アジアのウイスキー事情
- フランスのウイスキー事情
世界のウイスキーや価格のバロメーターなど、最新かつ幅広い情報が載っています。
物足りない点
実用的なコラムや最新トレンド情報が充実している一方、「日本のウイスキー」と「ウイスキー銘柄」の情報は控えめでした。
読む方によっては、物足りないと感じてしまうかもしれません。
日本のウイスキー情報は控えめ
日本のウイスキー情報は控えめで、国内のウイスキー産地や歴史の記述は少ないと感じました。
現在、日本には蒸留所が60近くありますが、本書の日本の蒸留所マップには主要な6の蒸留所しか載っていません。
日本のウイスキー事情を詳しく知りたい場合は、国内に特化したウイスキー教本を併せて読むとよいでしょう。
ただ、本書には「日本独特の文化である水割り」や「日本人が発案したアイスボール(丸氷)」といった、読みごたえのあるトピックもあります。
本書の筆者はフランス人で、外国人の目線で捉えた日本のウイスキー文化は、読んでいて興味深く面白いと感じました。
ウイスキー銘柄の情報は控えめ
ウイスキー銘柄の情報は控えめで、他の教本よりも紹介本数は少ない印象です。
各トピックに応じたおすすめのウイスキーはピックアップされていますが、全体で見ると本数は多くありません。
「多くのウイスキー銘柄を知りたい」
「ウイスキーの銘柄を比較して覚えたい」
という方は、銘柄一覧といった情報が載っている教本を併せて読むことをおすすめします。