この記事は2023年2月25日に「CAR and DRIVER」で公開された「新型ルノー・カングーの販売開始が本年3月2日に決定。発売記念モデルのプルミエール エディションも用意」を一部編集し、転載したものです。
ルノー・ジャポンが新型カングーを本年3月2日より販売すると発表。搭載エンジンは1.3リットル直噴ガソリンターボと1.5リットル直噴ディーゼルターボの選択が可能。車両価格は384~424万5000円に設定
ルノー・ジャポンは2023年2月24日、3代目となる新型カングーを本年3月2日より販売すると発表した。
車種展開は以下の通り。
■1.3リットル直噴ガソリンターボエンジン搭載車
カングー・インテンス:395万円
カングー・クレアティフ:395万円
カングー・ゼン(受注生産車):384万円
特別仕様車カングー・プルミエール エディション:400万5000円
■1.5リットル直噴ディーゼルターボエンジン搭載車
カングー・インテンス:419万円
カングー・クレアティフ:419万円
特別仕様車カングー・プルミエール エディション:424万5000円
なお、発売記念モデルの特別仕様車となるプルミエール エディションは、クレアティフをベースに通常では未設定の3タイプのメタリックボディカラーを採用している。
従来からの「LUDOSPACE(ルドスパス)=遊びの空間」という車両コンセプトを引き継いだうえで、「もっと遊べる空間」へと大きな進化を遂げた新型カングーは、全長および全幅、ホイールベースの延長による室内空間の拡大や、先進のエッセンスを取り入れたデザインの導入、最新のプラットフォームの採用、2種類のパワートレインの設定、先進の安全運転支援システムの組み込みなどを実施したことが特徴である。
エクステリアはひと目でカングーとわかる親しみのある個性はそのままに、先進のデザインエッセンスを導入して、様々な利用シーンで映えるスタイリングを創出。フロントガラスを従来より寝かせて流線形となったフォルムは空気抵抗を低減させるとともにダイナミックさを演出し、合わせてボンネットに入れたリブやワイドなショルダーラインをはじめとする抑揚のあるボディラインによって力強さと存在感を強調する。また、フロント部にはルノーデザインを象徴するフルLEDヘッドライトとCシェイプデイタイムランプを配し、同時にクロームで縁取ったグリルを装備して上質感をアップ。フロントバンパー両端にはエアディフレクターを組み込み、フロントホイールから発生する空気の乱れを抑えて空気抵抗を減らすことで、燃費性能を向上させた。一方、従来と同様に左右リアドアにはスライド式を、バックドアには左右ヒンジの観音開き式(ダブルバックドア)を採用し、良好な使い勝手を実現。リアコンビネーションランプには、フロントのデイタイムランプと同イメージのCシェイプシグネチャーを配備した。
ボディサイズは従来比で210mm長く、30mm幅広く、ホイールベースが15mm長い全長4490×全幅1860×全高1810mm/ホイールベース2715mmに設定。最小回転半径は5.6mとなる。また、外装のアレンジとしてはボディ同色バンパー仕様(インテンス)と、人気の高いブラックバンパー仕様(クレアティフ、ゼン、プルミエール エディション)を用意。ダブルバックドア+ブラックバンパー仕様は、日本向けに特別に製作されるモデルである。ボディカラーに関しては、インテンスにブラウンテラコッタM/グリハイランドM/ブルーソーダライトM/ブランミネラルを、クレアティフにジョンアグリュム/ブランミネラルを、ゼンにブランミネラルを、プルミエール エディションにブラウンテラコッタM/グリハイランドM/ブルーソーダライト Mをラインアップした。
内包するインテリアは、フランス流の実用性と使い勝手の良さが融合したデザインに、乗員全員が快適で楽しい時間が過ごせるよう工夫された装備を組み込んだことがトピック。水平基調のデザインとなったダッシュボードはブラッシュアルミ調とダークグレー塗装パネル、各部に配したクロームパーツによって上質感を高め、また本革を巻いたステアリングホイールはマットクロームフィニッシャーで装飾し、ホイール両側には先進の運転・駐車支援システムの操作スイッチやメーター表示の切り替えなどのコマンドスイッチを配備する。さらに、メーターパネルには先進感と視認性のよさを兼ね備えた7インチデジタルインストルメントパネル(ゼンは4.2インチスクリーン付アナログメーター)を採用した。一方、センター部にはスマートフォンミラーリング機能を備えた8インチマルチメディアEASY LINKを配備。スマートフォンをUSBポートに接続すればApple CarPlayおよびAndroid Autoを介してスマートフォン内の各種アプリが利用でき、SiriやGoogleアシスタントを使って音声入力での操作も可能とする。一方、形状を見直したフロントシートは従来よりひと回り大きくなり、サポート性も向上。3座独立タイプで6:4分割式のリアシートには、大人3名がしっかりと乗車できる。シート表皮には上質なファブリック×レザー調コンビを張った。小物の収納スペースも豊富に用意し、オーバーヘッドコンソールやインストルメントパネルアッパーボックス(USBポート/12V電源ソケット付)、前席アームレスト付センターコンソールボックス(USBポート/12V電源ソケット付)、ダッシュボードトレイなどを設定。快適装備として、防塵フィルター付2ゾーンオートエアコン(ゼンは防塵フィルター付マニュアルエアコン)やセンターコンソールボックス背部後席エアダクト(ゼンはフロントシート下後席エアダクト)、フロントシートバックテーブル、チャイルドミラー、ハンズフリーカードキーなども組み込んだ。
ラゲッジ空間は床面長が後席使用時で1020mm(従来比+100mm)、後席格納時で1880mm(同比+80mm)、容量が後席使用時で775リットル(同+115リットル)、後席格納時で2800 リットル(同+132リットル)と、従来よりも積載スペースを拡大。脱着可能なトノボードやラゲッジフック、12V電源ソケットも装備する。ダブルバックドアは開閉の際の後方スペースを取らないため狭い場所でも開閉が可能で、また安全性を考慮して約 90度の位置で一度ロックがかかり、ロックを外すと約180度まで開く。また、バンパーレベルまで開くスクエアな開口部や凹凸のないフロア面などを採用して積載性を高めた。
パワートレインは1333cc直列4気筒DOHC16V直噴ガソリンターボエンジン(最高出力131ps/5000rpm、最大トルク240Nm/1600rpm)と、1460cc直列4気筒OHCコモンレール式直噴ディーゼルターボエンジン(最高出力116ps/3750rpm、最大トルク270Nm/1750rpm)を設定し、いずれのユニットも7EDC(電子制御7速AT)のトランスミッションと組み合わせて前輪を駆動(FF)する。また、走行モードとして通常パターンのノーマル、エンジン出力・トランスミッションの変速ポイント・電動パワーステアリングのアシスト力などを省燃費重視で制御するエコ、積載量が多い場合などパワーが必要な走行シーンに適したペルフォという3モードを設定した。
基本骨格にはルノー・日産・三菱のアライアンスが開発したミドルクラスのモデルに使用するCMF-C/Dプラットフォームを採用し、ここに堅牢化した新設計のボディをセット。懸架機構は前マクファーソンストラット式/後トーションビーム式で構成し、サスペンションのストローク量は従来と変わらないもののロールを抑えることで、これまで定評のあった 乗り心地を損なうことなく走行安定性と応答性を高める。また、ステアリングレシオを従来の17:1から15:1へと変更してハンドリングを向上。制動機構は前後にベンチレーテッドディスクブレーキを配したうえでフロントに新設計のブレーキキャリパーを組み込んで、大柄なボディを意識させないスムーズかつ安定した制動を実現する。シューズはインテンスにフルキャップ付き16インチスチールホイール+205/60R16タイヤを、クレアティフ/ゼン/プルミエール エディションにハーフキャップ付き16インチスチールホイール+205/60R16タイヤを装着した。
先進安全運転システムの拡充も新型カングーの訴求点。ルノーの日本導入モデルでは初となるエマージェンシーレーンキープアシスト(車線中央維持支援)やブラインドスポットインターベンション(後側方車両検知警報)、ハイウェイ&トラフィックジャムアシスト、ストップ&ゴー機能付きアダプティブクルーズコントロール、レーンセンタリングアシスト、レーンデパーチャーワーニング(車線逸脱警報)、トラフィックサインレコグニション(交通標識認識)、歩行者・自転車検知機能付アクティブエマージェンシーブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)、オートハイ/ロービーム、ドライバー疲労検知アラート、パーキングセンサー(リア)+リアカメラ、セーフティディスタンスワーニング(前方車間距離警報)などを設定している。
(提供:CAR and DRIVER)