限定品と聞くと、後先考えずに飛びついてしまう方がいると思います。自動車の場合、限定品(限定車)の多くは、後々付加価値がついて価格が高騰することがあり、近年は投機対象として購入するオーナーも少なくありません。今回は、国産メーカーのちょっとマニアックな限定車を紹介していきましょう。

レクサスLFA

まずはレクサスから一台。2010年に発売したスーパースポーツカーLFAは、500台の限定生産でした。

V型10気筒4.8Lエンジン(1LR-GUE型)をフロントに搭載し、後輪を駆動。トランスミッションは、アイシン製の6速オートメーテッドシーケンシャルギアボックス(ASG)が採用されました。0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は325km/hオーバーと伝えられています。

500台のうち、日本には当初165台が割り当てられ、最終的には約200台が販売されました。価格は3,750万円と、日本車の量産モデルとしては過去最高の販売価格です。それでも、販売予定台数の数倍もの予約が集まったそうです。

この500台のうち約50台は、サーキットでの走行を重視した「ニュルブルクリンクパッケージ」という高性能仕様で、生産は2012年12月14日に終了しています。

スバルインプレッサ22BSTIversion

スバルインプレッサ22BSTIversion
(画像=「Car Me」より引用)

1992年11月に発売されたインプレッサは、翌1993年8月からWRC(世界ラリー選手権)に参戦しました。そして1995~1997年まで、3連覇を達成。

その翌年に、STiにより限定生産されたのが「22BSTIversion」です。1997年型WRカーのメーカー製レプリカといったモデルです。

そのボディには、前後ブリスターフェンダー、フロントグリル一体型バンパー、ブレースグリル付きアルミ製ボンネット、サイドスカート、大型リヤスポイラーなどを装備。サスは、ビルシュタイン製ダンパーとアイバッハ製スプリングの組み合わせ。ゴールド塗装のBBS製鍛造アルミホイールに組み合わせられたタイヤは235幅となっています。

エンジンは、2.0Lから2.2LにボアアップされたEJ22改。最高出力は、当時の自主規制にあわせた280psですが、トルクが増強(37kgm)されました。クラッチツインプレートです。

WRカー然とした出で立ちにソニックブルーマイカの車体色とゴールドのBBSアルミホイールの組み合わせは、それだけで目立つ存在でした。生産台数は、400台、価格は500万円と高価でしたが、あっという間に完売しました。

日産パルサーセリエVZ-RN1

パルサーは、日産がかつてラインナップしていた1.5Lクラスの小型車です。5代目にあたるN15型(1995年発売)では、3ドアハッチバックにセリエのサブネームが付けられていました。

VZ-Rは、1997年のマイナーチェンジで設定されたスポーツグレードで、175psを発生するSR16VE型エンジンを搭載していました。

ここで消化するN1は、バーション1と2があり、パルサーセリエの兄弟車、ルキノハッチと合わせて、1997年と1998年にそれぞれ200台と300台の限定で発売されたモデル。スーパー耐久レース(S耐)向けとして限定生産されたものでした。

最大の特徴は専用のSR16VEエンジンで、専用シリンダーヘッドや吸排気の採用にくわえ、クランクシャフト&フライホイールのバランス取り、ポート研磨など、チューニングが施され、当時1.6Lクラスでは最強の200psを発生しました。

日産スカイラインオーテックバージョン

R32スカイラインオーテックバージョン
(画像=「Car Me」より引用)

いまなお絶大な人気を誇るR32スカイラインに設定された限定生産モデルのひとつが、4ドアのオーテックバージョンです。

その名の通り、日産の特装車加工メーカーのオーテックジャパンが手がけたモデルで、GTS-4をベースに、GT-R用RB26DETT型をNA化したRB26DE型を搭載した4輪駆動の4ドアセダンです。

NA化により最高出力は280psから220psに抑えられ、ミッションは4速ATと組み合わせられました。5MTの設定はありません。

GT-Rの硬派なイメージに対して、シートには人工皮革のエクセーヌを用いて、上質な仕上がりを見せていました。まさにGTの意味するグランドツーリングを具現化したモデルで、198台が限定生産されました。