人民元見通し
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総括

FX「中国へのデリスキング(リスク低減)=G7財務相・中銀総裁声明」人民元見通し

(通貨7位、株価11位)

予想レンジ 人民元/円19.4-19.9

(ポイント)
*ドルとパラレルに動くが、円安で人民元は底堅い
*G7財務相・中銀総裁声明では、中国リスクの低減を示唆した
*近々、中国の格付見直しか
*消費者物価は伸びない
*4月鉱工業生産、小売売上改善も予想下回る
*新築住宅価格、需要低迷で伸び鈍化
*GDP下方修正する調査機関あり
*香港への締め付けが厳しい
*預金金利は引き下げか
*国債利回り6カ月ぶり低水準
*人民元はバスケット制度で12通貨中では中位にいる
*株価は冴えない、ハンセン指数はマイナス圏
 *米中関係は停滞
*中国、初の人民元建て決済 仏トタルとLNG
*サウジ、上海協力機構へ参加
 *対米、対独の2022年の貿易額は過去最高

(デリスキング(リスク低減) G7財務相・中銀総裁声明)
 G7財務相・中銀総裁声明では、「ロシアのウクライナ侵略」では、ロシアを名指しで批判し制裁や経済的措置を行うことで一致した。中国については、名指しではなかったが、サプライチェーンの既存の脆弱性への対処、強化のために、関心ある国々とともに、世界銀行グループ、及び関連する国際機関と協働して再構築するとした。実質的には中国への過度の依存を軽減するということだ。中国による経済分野への投資の切り離し(デカップリング)や中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の代替策推進よりも、デリスキング(リスク低減)に焦点を置く。

(近々、中国の格付見直しか)
 国家発展改革委員会財政部によると、S&Pと国家発展改革委員会はシンポジウムを開催した。ソブリン信用格付けの再評価を行うためのシンポジウムだ。政府がより不確実性の高い外部環境にどのように対処すべきか、経済の非公共部門への投資と発展を効果的に強化すべきこと、中国の長期的な成長の可能性を促進する改革と政策の実施、中長期的な経済成長の管理に焦点を当てた。対外債券発行、インフラと新規インフラ投資、中国のエネルギー転換、その他の問題について関連状況が紹介された。

(鉱工業生産、小売売上改善も予想下回る)
4月の鉱工業生産は前年比5.6%増加し、予想を大幅に下回った。ただ、伸びは3月の3.9%から加速した。予想は10.9%増。伸び率は2022年9月以来の大きさで、前年同期の新型コロナウイルス対策による落ち込みの反動が主な要因。
4月の小売売上高は前年比18.4%増加し、予想の21.0%増を下回った。伸び率は3月の10.6%を大幅に上回り、21年3月以来の高水準だった。

(4月消費者物価は約2年ぶりの低い伸び)
4月消費者物価は約2年ぶりの低い伸びにとどまり、生産者物価は下落率が拡大した。消費者物価は前年同月比0.1%上昇で、2021年2月以来の低い伸びだった。伸び率は前月の0.7%から鈍化した。
生産者物価は前年比3.6%下落した。下落率は2020年5月以来の大きさで、前月の2.5%下落から下げが加速した。マイナスは7カ月連続。 人民銀行は利下げ実施や金融システムへの流動性供給拡大への圧力が強まる可能性がある。

(新築住宅価格、前月比0.4%上昇 需要低迷で伸び鈍化)
 4月の新築住宅価格は前月比0.4%上昇した。政府の支援策を受けて4カ月連続の上昇となったが、伸びは3月の0.5%から鈍化した。
経済再開後に顕在化した累積需要が鈍化しているとの懸念が浮上。回復基調を維持するには追加の政策支援が必要かもしれないとの指摘が出ている。
前年比では0.2%下落し、12カ月連続のマイナスとなった。3月は0.8%下落していた。
市場のファンダメンタルズは変わっておらず、1Qに累積需要が顕在化して価格が上昇した後は住宅購入が手控えられつつあると指摘されている。
  ゴールドマン・サックスは「人口動態の問題に加え、経営が悪化した開発業者の資金調達環境が依然厳しいことや、住宅は住むためのもので投機のためのものではないとの立場を政府が変えていないことが背景だ」と述べた。

(GDP下方修正)
バークレイズのエコノミストは、住宅市場と消費の回復持続性への懸念から今年の中
国国内総生産(GDP)伸び率見通しを従来の5.6%から5.3%に引き下げた。
また、野村証券は「中国当局は成長を支援するため、今年後半に貸出金利の引き下げを含む新たな支援策の導入を余儀なくされる可能性がある」と述べた。

テクニカル分析(人民元/円)

ボリバン3σ上限近くから反落、2σ下限から反発

日足、ボリバン3σ上限近くから反落、2σ下限から反発。雲の上。5月16日-17日の上昇ラインがサポート。5月2日-17日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向く。
 週足、雲中。22年10月17日週-5月1日週の下降ラインが上値抵抗。4月24日週-5月8日週の上昇ラインがサポート。
 月足、小幅だが右肩上り。ボリバン中位を下抜けず。23年3月-4月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年4月の下降ラインが上値抵抗だが上抜くか
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。

人民元見通し
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チーファンラマ

香港、公共図書館から政治的にデリケートな書籍を一掃

 1989年の天安門事件に関する書籍のほとんどが公共図書館から消えた。
ベテランの政治漫画家ズンジ氏は今月、香港政府からの度重なる批判と攻撃を受け、当局を中傷したとして長年の雇用主である地元メディア「明報」を解雇された。それから間もなく、住民は著名な漫画家の本がすべて地元の図書館から消えたことを知った。

さらなる調査の結果、地元メディアは、 1989年の天安門事件に関するほぼすべての書籍やビデオドキュメンタリーを含む反体制派の書籍のほとんどが図書館の本棚から撤去されていることを発見した。
監査委員会は先月、市の公共図書館の管理不足を批判する報告書を発表した。公共図書館運営者に対し、国家安全保障上の利益に「明らかに反する」書籍を精査し、書架から撤去する 取り組みを強化するよう要求した。 市の安全保障責任者であるクリス・タン氏は、「国家の安全を守ることは、それぞれの部門や局の優先課題である」と強調した。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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