主要通貨ペア（ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円）について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 ：2023年5月29日9時00分
執筆・監修：株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼26日（金）の為替相場
（１）：東京CPI コアは予想を下回る
（２）：豪小売売上高 予想を下回る
（３）：英小売売上高は急回復
（４）：米CPCEを受け6月利上げ期待高まる
（５）：米債務上限問題 Xデーが後ずれ
▼26日（金）の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し：やや動きが鈍りそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
26日（金）の為替相場
期間：26日（金）午前6時10分～27日（土）午前5時55分 ※チャートは30分足（日本時間表示） 出所：外為どっとコム
（１）：東京CPI コアは予想を下回る
本邦5月東京都区部消費者物価指数（CPI）は生鮮食品を除いたコア指数が前年比+3.2％と予想（+3.4％）を下回る伸びとなり、前月の+3.5％から鈍化した。食料品の高い伸びが続く一方、政府による電気・ガス料金の負担軽減策でエネルギーが大幅に下落した。
（２）：豪小売売上高 予想を下回る
豪4月小売売上高は前月比±0.0％と市場予想（+0.3％）を下回った。豪統計局の小売統計部門責任者は「消費者が生活費高騰と金利上昇に対処して裁量的支出を抑えたため、小売売上高はここ半年頭打ちとなっている」との見解を示した。
（３）：英小売売上高は急回復
英4月小売売上高は前月比+0.5％と市場予想（+0.3％）を上回った。悪天候の影響などもあって落ち込んでいた3月（前月比-1.2％）から急回復した。
（４）：米CPCEを受け6月利上げ期待高まる
米4月個人消費支出（PCE）は前月比+0.8％と市場予想（+0.5％）を上回った。PCE物価指数（デフレーター）は前年比+4.4％で、予想（+4.3％）を上回り前月（+4.2％）から加速した。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+4.7％（予想、前回ともに+4.6％）だった。これを受けて米6月利上げ期待が高まるとドルが上昇した。なお、その後メスター米クリーブランド連銀総裁は「PCEデータはインフレ率が依然として高すぎることを裏付けている」「インフレの進展は遅い」として懸念を表明した。
（５）：米債務上限問題 Xデーが後ずれ
イエレン米財務長官は、6月1-2日に予定している1300億ドル余りの支払いは履行できる見通しになったと発表。これまで、債務上限の引き上げに合意できなければ「早ければ6月1日にも」としていた連邦政府の資金が底をつく「Xデー」の見通しを6月5日へと後ずれさせた。
26日（金）の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報（FX板情報・オーダー状況）
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し：やや動きが鈍りそう
26日のドル/円は4日連続で高値更新。週末を前に調整売りが先行したものの、139.50円付近で下げ止まると、NY市場では140.72円前後まで反発して昨年11月23日以来の高値を付けた。米連邦準備制度理事会（FRB）がインフレ指標として注目する4月の個人消費支出物価指数（PCEデフレーター）が再び加速したことで追加利上げ観測が高まった。米金利先物は6月の25bp（0.25％ポイント）利上げを7割近く織り込んだ。
週末27日に米ホワイトハウスと共和党の交渉担当者が債務上限引き上げで合意。これを好感して今朝は140.80円台へと続伸してスタートしている。もっとも、米債務上限引き上げについては31日に行われる見込みの下院採決がより重要となるため、市場の関心はそちらに向かうだろう。加えて本日は米国がメモリアルデー（戦没将兵追悼記念日）の祝日となる。そうした中、ドル/円は半年ぶりの141円台を窺いつつも、やや動きが鈍りそうだ。
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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