平和<6412>が子会社のパシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京都台東区)を介して手がけているゴルフ事業が、コロナ禍前を大きく上回り、完全復活を遂げている。

同社の2023年3月期のゴルフ事業の営業利益は2ケタ近い増益となり、コロナ禍前の2019年3月期の1.4倍ほどに、コロナ禍の影響の最も大きかった2021年3月期の2倍近くにまで増加した。

期中のゴルフ場利用者数が2.5%増え、これに伴って顧客単価が5.0%アップしたのをはじめ、M&Aで新たなゴルフ場が1カ所増えたことなどが大幅な営業増益につながった。

新年度入りした4月もゴルフ場利用者は2.3%増加しており、顧客単価は3.8%上昇している。さらに、同社では引き続き「良質なゴルフ場取得の継続」を重点方針として掲げ、新たなゴルフの買収に意欲を見せている。2024年3月期はどのような数字を上げることができるだろうか。

2期連続の増収増益

平和の2023年3月期のゴルフ事業の売上高は916億1100万円で、前年度より7.4%増加した。営業利益は145億8200万円で、同9.8%の増益となった。2022年3月期は14.6%の増収、74.2%の営業増益だったため、2期連続の増収営業増益となった。

コロナ禍前の2019年3月期は1.7%の増収、6.7%の営業増益だったが、コロナ禍の影響の出始めた2020年3月期は、売り上げはほぼ横ばいだったものの、営業利益は12.4%減少した。最もコロナ禍の影響の大きかった2021年3月期は10.2%の減収、17.9%の営業減益と2ケタを超える大幅な減収減益に陥っていた。

2022年3月期、2023年3月期と2期連続で増収営業増益を達成したことで、コロナ禍の影響は完全に払しょくできたと言えそう。

M&A Online

(画像=「M&A Online」より引用)

コースの難易度を下げる工事も

ゴルフは新型コロナウイルスの感染リスクが低いスポーツとして注目を集め、若いゴルファーが増加しているほか、女性のゴルファーも増加傾向にあると言われる。コロナ禍後は、ゴルフ場に足を運ぶようになった、こうした若者や女性をどのように定着させるかがポイントとなる。

PGMでは、若者や女性らへの対応として、コースの難易度を下げる工事や、トイレや風呂の改修などを進めている。果たして狙い通り若者や女性の定着につなげることができるのか。M&Aの動向とともに業界の関心を集めそうだ。

文:M&A Online