主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年7月7日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼6日(木)の為替相場
(1):豪貿易収支は持ち直し
(2):ADP雇用統計 予想を大幅に上回る
(3):ISM非製造業が改善
(4):株価が下げ幅拡大
▼6日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:値動きが不安定化する可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
6日(木)の為替相場
期間:6日(木)午前6時10分~7日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪貿易収支は持ち直し
豪5月貿易収支は117.91億豪ドルの黒字となり、黒字額は予想(109.00億豪ドル)を上回った。鉱物や農産物を中心に輸出が前月比+4.0%と4月の-6.0%から持ち直した。
(2):ADP雇用統計 予想を大幅に上回る
米6月ADP全国雇用者数は49.7万人増と市場予想(22.5万人増)を大幅に上回った。これより前に発表された米6月チャレンジャー人員削減数は4.07万人となり、前月(8.01万人)から半減した。これを受けて米利上げ期待が高まると米2年債利回りが16年ぶりに5.1%台へと上昇。ドル/円は143円台から急反発して144円台を回復した。なお、その後に発表された米新規失業保険申請件数は24.8万件と予想(24.5万件)をやや上回った。
(3):ISM非製造業が改善
米6月ISM非製造業景況指数は53.9と市場予想(51.2)を上回った。構成指数では、仕入価格が54.1に低下(前回56.2)した一方、雇用や新規受注が上昇した。一方、米5月JOLT求人件数は982.4万件と予想(990.0万件)に届かなかった。
(4):株価が下げ幅拡大
アジア株や欧州株の下落につれて安く始まった米国株が下げ幅を拡大。米利上げ観測の高まりを嫌気してNYダウ平均の下げ幅は一時500ドルを超えた。為替市場ではリスク回避の円買いが強まり豪ドル/円を中心にクロス円が下落。株安にともない米長期金利が上げ幅を縮小する中でドル/円も再び144円台を割り込むなど失速した。
6日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:値動きが不安定化する可能性
昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%下落。米長期金利の上昇を受けたドル買いと世界的な株安を背景とする円買いが交錯したため143円台半ばから144円台半ばのレンジで不安定な値動きとなった。欧州市場で144.56円前後まで下落していたドル/円は、米6月ADP全国雇用者数や米6月ISM非製造業景況指数が予想を上回ると米長期金利の上昇とともに急反発し、144.65円前後まで切り返した。しかし、利上げ観測の高まりを嫌気して米国株が大幅安となる中で円が強含むと再び144円台を割り込むなど上値は重く、144.06円前後でクローズした。
本日は米6月雇用統計が発表される。市場予想は非農業部門雇用者数23.0万人増、失業率3.6%、平均時給前年比+4.2%などとなっている。雇用統計で米労働市場が堅調を維持していることが確認されれば米長期金利とドルは一段高となる公算が大きい。ただし、株式市場の動向次第では、昨日と同様にドル/円の値動きが不安定化する可能性もある。米6月雇用統計の発表後は米債と米株の動きにも目配りが必要となりそうだ。
注目の経済指標:米雇用統計
注目のイベント:ラガルドECB総裁発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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