M&Aは遅れを取り戻す有力手段
セコムの新しい中期経営計画「ロードマップ2027」の初年度となる2024年3月期は増収減益となる見込みだ。売上高は前年度に過去最高を更新した勢いは衰えず、前年度より4.0%多い1兆1450億円を予想する。
航空機や車両、人工衛星などを使った測量などで得られた地理情報を加工し、解析する地理空間情報サービス事業が減収となるほかは、主力の警備や現金護送などのセキュリティーサービス事業をはじめ、自動火災報知設備などの防災事業、訪問看護サービスなどのメディカルサービス事業、火災保険や自由診療保険などの保険事業、事業継続計画支援や情報セキュリティーなどのBPO・ICT事業、不動産賃貸などのその他事業はすべて増収を達成できる見込みだ。
利益の方は、セキュリティーサービス事業での生産性向上のための投資や、海外での販売促進活動の強化、従業員エンゲージメント(組織に対する愛着心)の向上などにより減益となるという。
営業利益は1322億円(前年度比3.3%減)、経常利益は1407億円(同9.9%減、前年度は過去最高)、当期利益は861億円(同10.4%減、前年度は過去最高)を見込む。
一方、ロードマップ2027の最終年となる2028年3月期の売上高は1兆2500億円以上、営業利益は1600億-1800億円を目指す計画だ。
2023年3月期と比べると、売上高は13.5%増、金額にして1486億円ほどの増収となり、営業利益は17.0%-32.3%増、金額にして233億-433億円の増益となる。
利益は、ロードマップ2027初年度に出遅れた形となっており、この遅れを取り戻すには、やはり時間を買うM&Aが有力な手段となりそうだ。
文:M&A Online