主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年7月12日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼11日(火)の為替相場
(1):ドル/円 141円を割れて下げ幅拡大
(2):英CPIを受けてポンド買い優勢
(3):独ZEWは昨年12月以来の低水準
▼11日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米CPI発表までは様子見/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
11日(火)の為替相場
期間:11日(火)午前6時10分~12日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):ドル/円 141円を割れて下げ幅拡大
ドル/円は141円台を明確に割り込むとストップロスを巻き込んで下げ幅を拡大。前日の海外市場でドル売り材料となった米国のインフレ鈍化観測が引き続き意識された他、日銀が7月末の金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)を修正するとの思惑がくすぶる中で円を買い戻す動きが強まった。クロス円もドル/円につれて下落した。
(2):英CPIを受けてポンド買い優勢
英6月失業率は4.0%、失業保険申請件数は2.57万件増と前月からやや悪化(5月3.9%、2.25万件減)。2-5月の国際労働機関(ILO)基準失業率も4.0%と予想および前月(3.8%)から悪化した。一方、2-5月の週平均賃金は前年比+6.9%と予想(+6.8%)を上回り前月(+6.7%)から伸びが加速した。予想以上の賃金上昇を受けて英中銀(BOE)の利上げが長期化するとの観測が強まりポンド買いが優勢となった。
(3):独ZEWは昨年12月以来の低水準
独7月ZEW景況感調査は期待指数が-14.7と市場予想(-10.6)を下回り、2022年12月以来の低水準となった。独ZEW(欧州経済研究センター)は「工業セクターは予想される景気低迷の矢面に立たされる可能性が高い。これら輸出型産業の利益見通しは再び大幅な落ち込みとなっている」との見解を示した。
11日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米CPI発表までは様子見
昨日のドル/円は140円台前半へと続落。米国のインフレ鈍化観測を背景にドル売りが続いた一方、日銀による金融緩和修正の思惑から円が買われたことで下げ足を速めた。早々に141円台を割り込むと140.16円前後まで下落して6月16日以来の安値を付けた。その後は買い戻しが入る場面もあったが141.00円手前で失速。前日比0.7%安の140.36円前後で取引を終えた。
本日はNY市場で発表される米6月消費者物価指数(CPI)に注目が集まっている。6月は中古車価格の大幅下落などが確認されており、CPIは5月の前年比+4.0%から+3.1%へ大きく減速すると予想されている。ただし、これは昨年6月の伸びが大きかった影響が強く、前月比では+0.3%と伸びが加速する見通しだ(前回+0.1%)。また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+5.0%と高止まりが見込まれている(前回+5.3%)。
今回の6月CPIは7月25-26日の連邦公開市場委員会(FOMC)に向けた最後の重要データとして市場に意識されており、ドル/円が140円台を維持できるかどうかのカギを握っていると言えそうだ。21時30分の発表までは取引を手控えるムードが広がる公算が大きいだろう。
注目の経済指標:米消費者物価指数
注目のイベント:RBA、BOE両総裁発言
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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