「アラン」の歴史
「アラン」を造る「ロックランザ蒸溜所」は1995年に創業されました。
1800年代、アラン島には多くの蒸留所がありました。
質よりも量が重視されるようになると蒸留所は次々と閉鎖に追いやられ、ついに1836年、アラン島の蒸留所はすべて閉鎖されました。
それから150年以上の時を経て、ハロルド・カリー氏がアラン島に蒸留所を創設します。
ハロルド・カリー氏はシーバス・ブラザーズ社のマネージングディレクターを務めた人物で、「自分の蒸留所を持ちたい」という思いからアラン島の蒸留所を復活させたのです。
当初、蒸留所創設の資金繰りに悩まされましたが、彼の息子であるアンドリューが今でいうクラウドファンディングのようなやり方で資金の確保を成し遂げました。
出資した人には蒸留所稼働5年後にブレンデッドウイスキー、8年後にシングルモルトウイスキーを優先的に受け取れる権利を与え、その後も割安でウイスキーが購入できる権利を与えました。
島民の後押しもあり、2,000人の出資者を集めることに成功します。
1998年に「アラン」最初の樽が開封され、アラン島発のウイスキーが160年ぶりに復活したのです。
2019年にはアラン島2つ目の蒸留所である「ラグ蒸溜所」を創設、今では「アラン」は世界中で注目されるブランドの1つとなりました。
「アラン」の製法
世界で注目される「アラン」のこだわりの製法は、どのようなものなのでしょうか。
「アラン」の特筆すべき製法を解説します。
こだわりの原料と仕込み水
「アラン」の原料となる大麦麦芽はコンチェルトという品種です。
モルトウイスキー専用に造られた新しい品種で、アルコール収率が高く効率良くウイスキーを造れます。
仕込み水に使われる水源は、ロッホ・ナ・ダビィという湖の水。
ミネラルを適度に含んだ水で、良質なウイスキー造りに適しています。
コンパクトな単式蒸留器を使用
「アラン」の製造には単式蒸留器(ポットスチル)が使用されています。
「アラン」は量よりも質にこだわっており、コンパクトな2対4基のポットスチルを使用し、伝統的な2回蒸留で製造。
質の高いウイスキーを造るべく、ポットスチルで丁寧に蒸留されています。