中国・香港、日本企業による売却が優勢

2023年上期の海外M&Aを国・地域別にみると、全94件中、米国が20件とトップ。このうち16件がアウトバウント取引で、日本企業による米国企業の買収が活発だった。2位はドイツ7件で、これに中国、シンガポールの各6件、カナダ、英国、香港の各5件が続いた。

中国は6件中4件、香港は5件中3件がインバウンド取引で、日本企業が主に現地子会社を地元企業に売却する動きが目立った。

◎2023年1~6月:海外M&Aの金額上位10

1 アステラス製薬 米バイオ医薬品企業のアイベリック・バイオを子会社化 8040億円
2 キリンホールディングス オーストラリア健康食品メーカー大手のブラックモアズを子会社化 1692億円
3 NIPPON EXPRESSホールディングス オーストリア物流大手のカーゴ・パートナーを子会社化 1267億円
4 ENEOSホールディングス チリに保有する銅鉱山カセロネス銅鉱山の株式51%をカナダLundinに譲渡 1246億円
5 セガサミーホールディングス フィンランドのモバイルゲーム会社「ロビオ」を子会社化 1049億円
6 富士フイルムホールディングス 米国インテグリスから半導体用プロセスケミカル事業を取得 945億円
7 ゼンショーホールディングス 北米・英国で持ち帰りすし店展開のスノーフォックス・トップコを子会社化 874億円
8 三井物産 日米合弁給食大手のエームサービス(東京都港区)を子会社化 700億円
9 三井物産 米化学品大手セラニーズ傘下で機能性食品素材製造のオランダ「ニュートリノバ」を子会社化 660億円
10 オリンパス 消化器用金属製ステント開発・製造の韓国Taewoong Medicalを子会社化 333億円

文:M&A Online