平和<6412>傘下で、ゴルフ場運営大手のパシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京都台東区)は2023年10月に、武庫ノ台ゴルフコース(神戸市)を取得する。
2011年に平和がPGMを子会社化して以来、ゴルフ場の買収は18カ所目で、合計の保有ゴルフ場は148(うち一つはリース運営)になる。
PGMの田中耕太郎社長は「東京、大阪、名古屋、福岡の4大都市圏内のゴルフ場であれば買収を検討する」としており、保有ゴルフ場数はまだまだ伸びそう。171のゴルフ場を保有するトップのアコーディア・ゴルフ(東京都品川区)にどこまで迫れるか。
上級者から初心者まで幅広く楽しめる
武庫ノ台ゴルフコースは関西電力<9503>グループの関電アメニックス(大阪市)が運営しているゴルフ場で、同事業を2023年7月下旬に承継する武庫ノ台ゴルフ(大阪市)の全株式をPGMが取得する。
武庫ノ台ゴルフコースが開業したのは1966年で、直近の2023年3月期は4億3900万円の売り上げがあった。アウトコースは各ホールとも松林などで完全にセパレートされており、幅も広い。インコースは正確なショットが要求される戦略性に富んだレイアウトで、上級者から 初心者まで幅広く楽しめるという。
PGMはゴルフ場のほか、リースや霊園、ホテル、高速道路のサービスエリア内レストランなどの運営事業に取り組んでおり、2023年3月期の売上高は916億7900万円だった。平和の2023年3月期決算によるとゴルフ事業の売上高は916億1100万円(前年度比7.4%増)で、営業利益は145億8200万円(同9.8%増)だった。
アコーディアも保有数伸ばす
ゴルフ場運営大手のアコーディア・ゴルフは、2022年10月にネクスト・ゴルフ・マネジメントを吸収合併し、保有するゴルフ場は170となり、この時点で業界トップになった。帝国データバンクによると、2022年3月期の売上高は135億9200万円で、当期利益は30億8300万円だった。
アコーディア・ゴルフの石井歓社長は「ゴルフ場の買収は成長に必要」とし、規模の拡大に意欲を見せている。2023年2月には小田急電鉄<9007>から小田急西富士ゴルフ倶楽部(静岡県富士宮市)を取得し、ゴルフ場保有数を171に伸ばしている。
ゴルフはコロナ感染リスクが低いスポーツとして若者を中心に人気が高まり、来場客数や客単価などが上昇傾向にある。これに伴って業績が好転するゴルフ場も少なくない。コロナによってもたらされたゴルフブームは両社の拡大路線にどのよな影響を与えるだろうか。
文:M&A Online