主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年7月24日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼21日(金)の為替相場
(1):本邦CPIは伸びが加速
(2):英国の消費は堅調
(3):日銀の政策修正期待が後退
(4):神田財務官 市場の動きをけん制
▼21日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:142円台への上伸を視野に入れた展開/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
21日(金)の為替相場
期間:21日(金)午前6時10分~22日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦CPIは伸びが加速
日本6月消費者物価指数(CPI)は日銀が注目する生鮮食品を除いたコアベースで前年比+3.3%と予想通りに前回(+3.2%)から伸びが加速した。翌週の日銀金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)が修正されるとの観測がくすぶる中、円は一時強含んだ。
(2):英国の消費は堅調
英6月小売利上高は前月比+0.7%と市場予想(+0.2%)を上回った。高インフレにもかかわらず英国の消費は堅調で、自動車燃料を除いた売上高も前月比+0.8%と予想(+0.2%)を上回る伸びとなった。
(3):日銀の政策修正期待が後退
大手通信社が「日銀は現時点でYCC副作用に対応の緊急性乏しいと認識」「日銀、金融政策維持の公算 YCC変動幅据え置きの可能性」と相次いで報じた。これを受けて日銀の政策修正期待が後退すると円買いの巻き戻しによる円売りが活発化した。
(4):神田財務官 市場の動きをけん制
本邦財務省の神田財務官は為替市場について「当然、緊張感を持って注視している」「過度な変動は望ましくないという観点から、あらゆる手段を排除せず検討」と述べて市場の動きをけん制。これを受けてやや円買いに傾く場面もあったが、一時的だった。
21日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:142円台への上伸を視野に入れた展開
21日のドル/円は141円台後半へと続伸した。日本6月消費者物価指数(CPI)の高止まりを受けて139.70円台に弱含む場面もあったが、日銀は翌週の金融政策決定会合で大規模緩和を維持する公算が大きいとの観測報道が伝わると急反発。141.95円前後まで上昇して今月10日以来の高値を付けた。
今週は26日に米連邦準備制度理事会(FRB)、27日に欧州中銀(ECB)、28日に日銀が金融政策発表を行う中銀ウイークで、FRBとECBは利上げが濃厚な一方、日銀は現状維持の可能性が高い。金融政策の方向性の違いが意識されやすく円は軟調推移が続きそうだ。引き続き、本邦財務省筋などからの円安けん制は警戒されようが、中銀ウイーク中に実弾円買い介入が発動される公算はきわめて小さい。仮に口先介入があっても、その効果は一時的なものにとどまると見られ、円相場を押し上げるには力不足だろう。
なお、ドル/円は6月後半から7月半ばの下落に対する半値戻し(141.15円前後)を終えており、フィボナッチ・リトレースメントの61.8%戻し(142.07円前後)が次の上値ポイントとして意識されている。本日は142円台への上伸を視野に入れた相場展開となりそうだ。
注目の経済指標:欧米PMI
注目のイベント:特になし
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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