「このままでは日本がダメになる!」20日に開かれたニデック<6594>の第1四半期決算会見で、同社の永守重信会長が工作機械メーカーTAKISAWA<6121>のTOB(株式公開買い付け)にかける意気込みを露わにした。「TAKISAWAに買収を申し入れたら、けんもほろろに断られた。1株あたり2600円の買付価格はTAKISAWAの株主にメリットがある。経営陣が拒否したら異常だ」と、敵対的TOBも辞さぬ構えだ。
「大きな会社を短期間で買える社会に」
TAKISAWAにTOBを仕掛ける理由として「これまで赤字の工作機械メーカーを買収して来たが、どこも高い利益を出している。工作機械は儲かる。TAKISAWAは良い会社で、わが社とのシナジー効果も大きい」と、高い収益性への期待を挙げた。さらに、今後の成長戦略として「M&A を駆使しないとダメ」と、規模拡大のためのM&Aを加速する方針も明らかにしている。
その上で「赤字会社は容易に買収できるが、良い会社はなかなか売ってくれない。これまで赤字会社の買収に取り組んで来たが、再建に時間がかかる。大きな会社が短期間で買える社会にしなくてはならない」と、「時間を買う」M&A の必要性を指摘した。
今回のTOBでは「大手証券会社に(公開買付代理人の依頼を)みな断られた」と明かし、「わが社と一緒になれば、双方がハッピーになる。経済産業省もM&Aを積極的に推進している。誰かが窓を開けないとダメ。グローバルで見ればどこもやっている。TAKISAWAのTOBが失敗するようでは日本が危うい」と強調。「長い話し合いで会社を買っているようでは、国際競争には勝てない」と、迅速なTOBの必要性を訴えている。_
TOB発表直前にTAKISAWAの株価が急騰したことについては、「ニデックがどの会社を買おうとしているかは、皆が知っている。わが社からの情報漏洩はない」と述べた。
文:M&A Online