主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年8月10日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼9日(水)の為替相場
(1):中国7月CPI、PPIはマイナス
(2):独電力会社 今冬もエネルギー価格高騰のリスクを警告
▼9日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米CPIの結果に大きく反応する可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
9日(水)の為替相場
期間:9日(水)午前6時10分~10日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国7月CPI、PPIはマイナス
中国7月消費者物価指数(CPI)は前年比-0.3%と予想(-0.4%)を上回ったものの、2021年2月以来のマイナスとなった。同生産者物価指数(PPI)は前年比-4.4%と10カ月連続でマイナスを記録(予想-4.0%)。需要の低迷によるデフレ圧力が鮮明化した。その反面、中国政府が大規模な景気支援策を打ち出すとの期待が高まったため豪ドルは強含んだ。
(2):独電力会社 今冬もエネルギー価格高騰のリスクを警告
独電力会社エーオンは「ウクライナでの戦争とロシア産ガスの欧州向け供給が途絶えたことによる構造的な変化は今後も続き、危機が終わったわけではないことは明確だ」として今冬もエネルギー価格高騰のリスクがあると警告した。なお、この日は中国の景気刺激策への期待やロシアとウクライナの戦闘激化を巡る懸念から原油や天然ガスの価格が上昇。中でも欧州の天然ガス指標価格であるオランダ期近物は、豪州液化天然ガス(LNG)施設労働者のストライキ懸念も相まって一時40%高と、2022年3月以来の大幅上昇となった。
9日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米CPIの結果に大きく反応する可能性
昨日のドル/円は円売り主導で143円台後半へと続伸。ドルは本日発表される米7月消費者物価指数(CPI)を前に、対円では上昇したが対ユーロでは下落するなどマチマチの動きだった。
米7月CPIの市場予想は前月比+0.2%、前年比+3.3%で、前年比の伸び率は前月(+3.0%)から再加速すると見られている。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+4.7%と高止まり(6月+4.8%)が予想されている。
ドル/円は今月3日に付けた143.89円前後がチャート上の上値ポイントとして意識されており、仮に米7月CPI(特にコアCPI)が予想を上回ればこれを突破して144円台への上伸に弾みが付きそうだ。反対に下振れするようなら143円台を割り込む公算が大きい。CPIはFRBの追加利上げを占う上での重要指標に位置付けられているため、結果に対するドルの反応も相応に大きくなる可能性が高い。
なお、本日は日本の3連休前の5・10日にあたることから仲値公示の前後は実需フローによる変動が見込まれるが、公示後は米CPI待ちで徐々に値動きが鈍りそうだ。
注目の経済指標:米7月消費者物価指数
注目のイベント:FRB高官発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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