主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年8月15日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼14日(月)の為替相場
(1):ドル円 6月30日以来の145円台
(2):中国の不動産不況を巡る懸念が高まる
(3):米10年債利回り 昨年11月以来の水準へ上昇
▼14日(月)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:警戒ムードが広がる可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
14日(月)の為替相場
期間:14日(月)午前7時00分~15日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):ドル円 6月30日以来の145円台
時間外の米長期金利が上昇するとドル/円は6月30日以来の145円台を回復。ただ、145円台では日本政府・日銀による円買い介入への警戒感が強く、仲値公示後には144.63円前後へ急落するなど乱高下した。
(2):中国の不動産不況を巡る懸念が高まる
中国有数の不動産開発業者である「碧桂園」の資金繰りが懸念される中、同社の一部の社債がこの日から取引停止となった。これを受けて香港株式市場で同社の株価が大幅に下落。為替市場では中国の不動産不況を巡る懸念が高まり、豪ドル/円は93.50円台に下落した。
(3):米10年債利回り 昨年11月以来の水準へ上昇
NY市場に入ると米長期金利が上昇幅を拡大。10年債利回りは昨年11月以来の4.21%台へと上昇した。これを受けてドル/円も昨年11月10日以来の145.58円前後まで上値を伸ばした。クロス円はドル買いの影響で伸び悩んだが、その後は米国株が高く始まったため持ち直した。
14日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:警戒ムードが広がる可能性
昨日のドル/円は年初来高値を更新。米長期金利の上昇や中国人民元の下落を背景にドルが買われると145.58円前後まで上値を伸ばして昨年11月10日以来の高値を付けた。米10年債利回りはインフレが長期化するとの観測から9カ月ぶりに4.21%台へ上昇。中国人民元は大手不動産開発業者の資金繰り悪化を巡る懸念から、こちらも9カ月ぶりの1ドル7.29元台へと下落した。
ドル/円は、6月高値の145.07円前後を明確に上抜けた事で148円前後までチャート上の上値余地が拡大したと見られる。ただ、昨年9月に政府・日銀が1998年6月以来の円買い介入を実施した145.90円台に接近したことから、目先的には上昇に対する警戒ムードが広がる可能性もあろう。財務省筋などからの口先介入による円安けん制発言も出やすくなりそうで、瞬間的な急落や急反発などの荒い値動きにも注意が必要だろう。なお、本日はアジア時間に中国7月鉱工業生産、同小売売上高が発表される他、NY時間には米7月小売売上高が発表される。
注目の経済指標:米小売売上高
注目のイベント:RBA議事録
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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