買いどき?指数は南アフリカ ランド/円の上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。
高金利通貨である南アフリカ ランドについて、中長期にわたり買いポジションを保有する視点で、現在を分析します。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
目次
- 南アフリカ ランド/円 上昇・下落のパワーバランス
- ・パワーバランス まとめ
- 南アフリカ ランド/円、いまが買いどき?
- ・経済指標予定
- ・関連レポート
- ・関連リンク
南アフリカ ランド/円 上昇・下落のパワーバランス
南アフリカ ランド/円をトレードするうえで重要となる経済指標やイベントを個別に点検します。
7月20日の南ア準備銀行(SARB)金融政策会合で市場の0.25%利上げ予想に反して政策金利を8.25%で据え置いた。5人の理事のうち3人が据え置きを支持、2人が0.25%利上げを支持した。またハニャホSARB総裁は「利上げ停止は引き締めサイクルの終了を意味しない」と強調した。次回会合は9月21日。
6月の南アCPIは前年比+5.4%となり2022年4月以来のSARBのインフレ目標内に入った。SARBのインフレ目標は3~6%。7月分は8月23日発表。
6月の南ア・貿易収支は35億ランドの赤字と5月の96億ランドの黒字から赤字転落となった。金やプラチナ価格の低下や最大の貿易相手国である中国の景気減速が要因。
6月の南ア・小売売上高は前年比-0.9%と予想(+0.2%)を下回り、7カ月連続のマイナスとなった。
6月6日に発表された南アフリカ2023年第1四半期国内総生産(GDP)は前期比+0.4%で予想と一致した。2022年第4四半期は-1.1%だったが、プラス成長になったことでテクニカルリセッションを回避した。断続的な停電にもかかわらず、10業種中8業種が成長となった。
パワーバランス まとめ
インフレ率がSARBの目標レンジ内まで低下してきたこともあり、SARBは7月20日の会合で金利を据え置いた。2021年11月から始まった連続利上げは10会合まででひとまず停止となった。電力不足を起因とした懸念点は引き南ア経済の足枷となっているが、政府の策もあり電力不足は改善しているもよう。最大の貿易相手国である中国の景気停滞が南アランドにとっても不安要因となっている。
南アフリカ ランド/円、いまが買いどき?
インフレ率は中銀目標レンジ内まで低下した。電力不足は幾分改善をしたが、国内経済の回復には時間がかかる。最大の貿易相手国、中国の景気動向には引き続き注意が必要。懸念された南アフリカの信用格付けの引き下げが見送られたことはポジティブ材料。
買いどき?指数は南アフリカ ランド/円の上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。
経済指標予定
8月23日 17:00 7月CPI
8月31日 21:00 7月貿易収支
9月5日 18:30 4-6月期GDP
店頭FX(外国為替保証金取引)における新興国通貨取引のリスクについて
当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー社へ入社。8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、Twitterを通してFX初心者向けの情報発信を担当している。
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。