主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年8月25日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼24日(木)の為替相場
(1):新規失業保険申請件数を受けてドル/円上伸
(2):ボストン連銀総裁「追加的な引き上げが必要かもしれない」
(3):米国株下落でリスク回避の円買い
▼24日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:大きく変動する公算が大きい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
24日(木)の為替相場
期間:24日(木)午前6時10分~25日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):新規失業保険申請件数を受けてドル/円上伸
米新規失業保険申請件数は23.0万件と市場予想(24.0万件)を下回り、前週(24.0万件)から減少。労働市場の引き締まりが続いているとの見方から米長期金利が上昇幅を拡大するとドル/円は145.95円前後まで上伸した。なお、同時に発表された米7月耐久財受注は前月比-5.2%と予想(-4.0%)を下回ったが、民間航空機の受注減によるもので、輸送機器を除いた受注は前月比+0.5%と予想(+0.2%)を上回った。
(2):ボストン連銀総裁「追加的な引き上げが必要かもしれない」
米ボストン連銀のコリンズ総裁は、政策金利について「追加的な引き上げが必要かもしれないし、かなりの期間にわたって据え置くことができる段階に非常に近いかもしれない」と発言。米国株の反落を受けて上げ幅を縮小していたドル/円に再び買いが入った。
(3):米国株下落でリスク回避の円買い
米国株が引けにかけて下げ幅を拡大する中、リスク回避の円買いが優勢となりクロス円は軟化。ドル/円は米長期金の上昇を受けたドル買いとリスク回避の円買いが交錯したため高止まりした。
24日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:大きく変動する公算が大きい
昨日のドル/円は145円台を回復して反発。米新規失業保険申請件数が予想以上に減少したことを受けて145.96円前後まで上昇した。米労働市場の引き締まりが続いているとの見方が強まり、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が本日の講演で追加利上げに前向きな姿勢を示すとの観測が広がった。
議長は本日、カンザスシティ連銀主催の国際経済フォーラム「ジャクソンホール会議」で講演を行う。会議のテーマは「世界経済の構造転換」。そのテーマに沿って議長が、米国の景気を熱しも冷ましもしない「中立金利」の水準が、コロナ禍を経て以前より切り上がったとの認識を示すのではないかとの憶測もくすぶっている。仮に「中立金利」が切り上がったとすれば利上げのゴール(ターミナルレート)は現在FRBが想定している5.625%からさらに上昇する可能性が高まることになる。
本日のドル/円は、市場の関心がきわめて高いパウエルFRB議長の講演の内容次第で大きく変動する公算が大きい。議長の発言がタカ派的と受け止められれば年初来高値146.55円の更新が視野に入る一方、想定したほどタカ派的ではなかったとの受け止めが広がれば短期サポート水準の144.50円前後を試す下値模索の展開になる可能性もある。
注目の経済指標:特になし
注目のイベント:パウエルFRB議長講演
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経済指標・イベントの結果について
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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