主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年8月30日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼29日(火)の為替相場
(1):ブロックRBA次期総裁「金利引き上げは月ごとに判断」
(2):米経済指標の悪化を受けてドル売り強まる
(3):米追加利上げ観測後退で株価上昇
▼29日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:145円台を中心に売買が交錯しそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
29日(火)の為替相場
期間:29日(火)午前6時10分~30日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):ブロックRBA次期総裁「金利引き上げは月ごとに判断」
豪中銀(RBA)の次期総裁として9月に就任する予定のブロック副総裁は「インフレ抑制のために金利を再び引き上げる必要があるかもしれないが、政策立案者はデータを注意深く見ており、当面は月ごとに判断することになる」との見解を示した。
(2):米経済指標の悪化を受けてドル売り強まる
米7月JOLT求人件数は882.7万件と市場予想(950.0万件)を大幅に下回り2021年3月以来の低水準となった。米労働市場のひっ迫状態が緩和したとの見方から年内の追加利上げが後退するとドル売りが活発化した。同時に発表された米8月消費者信頼感指数が106.1と市場予想(116.0)を下回ったこともドル売りに拍車をかけた。なお、同指数の調査項目のひとつとして「職探しが困難」と回答した消費者の割合は14.1%に上昇したことが明らかになった(前月11.3%)。
(3):米追加利上げ観測後退で株価上昇
年内の追加利上げ観測が後退する形で米長期金利が低下する中、ドル売りが続いた。一方で米国株が金利低下を好感して上げ幅を拡大したため円も売られた。ドル/円は145.67円前後まで下落したが、クロス円が株高を背景に一時の下げから持ち直したため下げ渋った。
29日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:145円台を中心に売買が交錯しそう
昨日のドル/円は年初来高値を更新後に一転して下落。米長期金利の上昇を背景に昨年11月以来の高値となる147.37円前後まで上値を伸ばしたが、米7月JOLT求人件数と米8月消費者信頼感指数が揃って予想を下回ると145.67円前後まで急落した。米経済指標の下振れを受けて年内の追加利上げ観測が後退すると米長期金利が低下に転じたためドルも一転して下落した。もっとも、長期金利の大幅低下を好感して米国株が上昇したことから円はドル以外の多くの通貨に対して下落しており、ドル/円の大幅安はロングポジション(買い持ち)の解消が主導した面が強いと考えられる。
本日も20日移動平均線が通る145.00円付近を目途に持ち高解消のドル売りが続く可能性はあるが、リスクオンの円売りも入りやすいと見られドル/円は145円台を中心に売買が交錯しそうだ。引き続き、米長期金利と世界的な株価の動向に注目したい。なお、本日のNYタイムには1日に発表される米8月雇用統計の前哨戦として米8月ADP全国雇用者数の発表が予定されている。
注目の経済指標:米ADP雇用統計
注目のイベント:特になし
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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