日本を代表するオフィス街、東京駅周辺で働く人が暮らすまち
両国・錦糸町・亀戸は、東京駅まで約15分、青い帯の総武本線なら錦糸町から8分。3駅ともJR総武線以外に複数路線あり、電車でのアクセスはもちろん、自転車や徒歩で、さまざまなまちにアクセスできる便利なエリアです。
東京駅周辺の大規模再開発
東京駅周辺は、金融をはじめとした歴史ある大手企業や、日本の経済を担う企業が数多く集まるビジネス街です。高度成長期に建てられた「丸の内ビルディング(丸ビル)」の建て替え(2002年竣工)を皮切りに、丸の内、大手町、そして日本橋、八重洲と、大規模な再開発が続いています。
現在進行形の大規模開発には、「世界で一番ビジネスをしやすい環境」を作るための、従来の規制や制度が大胆に緩和された「国家戦略特区」に指定された事業が複数あります。
現在予定されている再開発事業は、2040年を目処にした日本橋川を走る首都高速道路の地下化(2035年掘削終了、2040年に既存高架橋撤去予定)や、東京駅日本橋口前に位置する常盤橋街区に建てられる日本一の高さを誇るオフィスビル「トーチタワー(390m)」(2027年度完成予定)などがあります。
東京駅周辺の大規模再開発
- 東京駅前常盤橋プロジェクト
- 日本橋再生計画、⾸都⾼速道路⽇本橋区間地下化事業
- 東京駅八重洲口
東京駅前常盤橋プロジェクト
東京駅日本橋口前の常盤橋街区の大規模複合再開発がTOKYO TORCH(トウキョウトーチ)です(敷地面積3.1ha)。
築年数が経過し老朽化した複数のオフィスビルの建て替えを契機に、既存のJXビルと大和呉服橋ビルを解体して、1つの高層オフィスビル「常盤橋タワー」が2021年6月に竣工・開業しました(地上38階・地下5階・高さ約212m、延床面積146,000m2)。このオフィスビルだけで約8,000人の就業者が見込まれています。
多様な通勤手段・働き方への対応として、自転車用111台・バイク用20台の駐輪場等も設けられました。
そしてTOKYO TORCHの目玉となるのが、日本一の高さを誇るオフィスビル「トーチタワー(Torch Tower)」です(地上63階・地下4階・高さ約390m、延床面積約544,000m2、2027年竣工予定)。
防災機能や環境機能の向上も含めて、国際都市東京として大規模な開発が進みます。
日本橋再生計画、⾸都⾼速道路⽇本橋区間地下化事業
「COREDO日本橋」(2004年オープン)から始まった「日本橋再生計画」は、三井不動産を中心に官民地域一体で進められています。
COREDO日本橋の改修を含めた以下5地区の再開発が予定されています。
- 日本橋室町一丁目地区
- 日本橋一丁目東地区
- 日本橋一丁目中地区
- 日本橋一丁目1・2番地区
- 八重洲一丁目北地区
日本橋川沿いの敷地面積約6.7ha(約2万坪)、施設の延床面積37万坪に及びます。さらに首都高速道路の地下化が実現すると、川幅含め幅約100m・長さ約1,200mの広大な親水空間となるそうです。
日本橋から東京駅がシームレスにつながり、宇宙ビジネスをはじめとした新たな産業の誕生、世界の課題解決につながる街づくりが進められます。
東京駅八重洲口
東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業
敷地の細分化や建物の老朽化が進み、防災性が低下するなど東京駅前としてふさわしい土地利用がされていない状況にあるとして、開発が進む八重洲口です。国際都市東京の玄関口にふさわしい交通結節機能の強化と国際競争力強化のため、高度な防災機能・環境性能を確保した再開発が進んでいます。
東京駅前八重洲一丁目東地区では、小学校を含む既存の50を超える建物を解体し、地上51階・地下4階(高さ約250m)の超高層ビルが完成します(延床面積約225,000m2、2025年竣工予定)。
八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業(東京ミッドタウン八重洲)
八重洲二丁目北地区は既存の建物20棟が解体され、2023年3月に「東京ミッドタウン八重洲」が誕生。商業施設(全57店舗)や「ブルガリ ホテル 東京」「中央区立城東小学校」が入る超高層ビル「八重洲セントラルタワー」(地上45階・地下4階、高さ240m)、「八重洲セントラルスクエア」(地上7階・地下2階)がグランドオープンしました。
八重洲セントラルタワーには「バスターミナル東京八重洲」の第1期エリアも開業しました。地上の歩行者環境を改善するため、現在分散している高速バス停留所を地下に集約する計画です。24時間稼働の国際空港や、日本各地の都市とを結ぶ大規模ターミナルが誕生します。ターミナルは3つのエリアに分かれており、全体の開業は2028年を目指しているとのことです。
このように、東京駅一体のビジネス街は、国内外のさまざまな交流が生まれる場所になります。発展を続けるまちに勤務される方の住宅需要が高いエリアが、東京駅周辺の沿線になります。
東京駅周辺に勤務する人々の住宅需要が見込まれるまちのひとつとして、東京駅に近い両国、錦糸町、亀戸に注目が集まっています。それは今後の就業人口の増加も予想されるためです。
就業人口増加は数万人規模
正確な試算データはありませんが、これらの大規模な再開発による就業人口の増加は数万人規模と見られているようです。
なお丸の内・八重洲、日本橋が位置する中央区と、大手町が位置する千代田区は、その他の区と比較しても就業人口の伸び率は高くなっています。
2005年 | 2015年 | 増加率 | |
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中央区 | 48,003人 | 66,868人 | 139% |
港区 | 74,581人 | 89,508人 | 120% |
千代田区 | 21,053人 | 24,692人 | 117% |
中野区 | 131,513人 | 140,129人 | 107% |
豊島区 | 115,193人 | 121,926人 | 106% |
参考:国勢調査 15歳以上就業者数より増加率上位5区
総武線沿線に多い大学
両国より西の総武線沿線には、多くの大学キャンパスが存在します。水道橋駅、御茶ノ水周辺は大学や専門学校が多くあり、それぞれ学生数は数百人〜数万人規模となっています。主なキャンパスは次の通りです。
日本大学 歯学部 | 792名 |
---|---|
日本大学 理工学部 | 8,706名 |
明治大学 駿河台キャンパス | 11,843名 |
東京医科歯科大学 医学部、歯学部 | 2,928名 |
順天堂大学 本郷・お茶の水キャンパス (国際教養学部) |
919名 |
日本大学 経済学部 | 6,836名 |
東京歯科大学 水道橋校舎本館 | 837名※1 |
東京理科大学 神楽坂キャンパス | 9,520名 |
法政大学 市ケ谷キャンパス | 15,984名 |
大妻女子大学 千代田キャンパス | 5,919名 |
上智大学 四谷キャンパス | 12,155名 |
慶應義塾大学 信濃町キャンパス | 1,060名 |
津田塾大学 千駄ヶ谷キャンパス | 514名 |
2023年5月時点 ※1 全キャンパスの学生数
2020年秋の賃貸需要
錦糸町に事務所のある仲介不動産会社に話を伺いました(2020年9月取材)。この会社の仲介実績によると「錦糸町、両国、亀戸」の人気は高まってきていて、家賃も上昇傾向とのことです。
このエリアで物件を探す多くは大手町〜日本橋〜大門に勤務されている方々で、総武線へのニーズは高まっているそうです。with コロナの現在、密を避けるために、もっとも混雑する路線(通勤通学時間帯199%、2019年国土交通省調査)として有名な東京メトロ東西線沿線での家探しを避ける傾向が出ているとのこと。また、リモートワークを前提とした家探しのため、仕事場の確保という目的もあって2LDKの需要が増え、また1LDKといっても少し広めの30〜35m2の部屋が人気だそうです。
両国〜大門は都営大江戸線で1本、大手町や日本橋も乗り換えをしても約15分弱です。
両国・錦糸町・亀戸エリアの基本情報
人口推移
実際に両国、錦糸町、亀戸エリアでは、人口が増えています。2005年からのデータを見てみます。
また将来の予測データからも、両国・錦糸町については墨田区の人口予測、そして亀戸周辺の人口も江東区が試算した2030年までのデータで、人口増加が予想されています。
次に、現在のまちの様子(2020年10月時点)を紹介します。
駅周辺のまち並み
- 両国
- 錦糸町
- 亀戸
両国
江戸時代から栄えていた歴史ある両国には、観光名所がたくさんあります。大相撲の本場所に合わせて両国国技館を訪れたり、隅田川の花火大会などイベントに合わせて楽しめます。もちろん年間を通して、回向院を訪ねたり、江戸東京博物館・すみだ北斎美術館で江戸の文化に触れたりと、1日ではとても回りきれないほどです。
スーパー、コンビニ、飲食店
大型スーパーこそありませんが、スーパーとコンビニは点在しています。歴史ある飲食店も新しいお店も混在しています。
川沿いで過ごす時間も贅沢です。
隅田川を越えれば、近年オシャレスポットとして人気を集める蔵前も近く、もちろん歩いてスカイツリーまで散歩することもできます。
両国にはJR総武線以外に都営大江戸線が通っています。汐留、大門などへ勤務している人は乗り換えなしで便利に通勤できます。
見どころあふれるまちでは、お相撲さんを見かけることもあります。賑やかでしかも住みやすいまちです。
錦糸町
錦糸町といえば、賑やかな夜の街というイメージが強いですが、近年では街の整備が進み、住みやすい街として人気が出ています。
再開発が進められた北口側には、大型商業施設やビルが立ち並んでいます。
クラシックコンサートが開催される「すみだトリフォニーホール」など、文化施設も駅近にあります。
また駅北口からすぐのところにある「錦糸公園」は、休日になると家族連れで賑わっています。野球場やテニスコート、体育館もあります。
また、押上へと続く大横川親水公園もあります。
亀戸
1662年に創建された「亀戸天神」をはじめとした神社仏閣があり、下町情緒あふれる街です。
商店街や裏路地には下町らしいお店が並んでおり、賑やかな繁華街の「錦糸町」と比べ、落ち着いているといえます。
亀戸の最高層タワーマンション開発
2022年1月、総武線沿線上で最大級という総戸数934戸の大型マンションが誕生しました。
地元の人々やアイドルの聖地としてファンにも愛されていた商業施設「サンストリート亀戸」跡地にできた、「プラウドタワー亀戸クロス」(地上25階建て)です。2022年4月には大型のショッピングモール「KAMEIDO CLOCK(カメイドクロック)」もオープンしました。
亀戸は都市機能が集積した地点のひとつで、住民と一緒にまちづくりを実施し、成熟してゆく日本を支える都市として、地域特性に応じた展開がされていくことが見込まれています。
2040年東京の中核的な拠点、活力とにぎわいの拠点
これまで行われてきた日本のまちづくりは、少子高齢化と人口減少で、方向転換しようとしています。
従来型の「市街地を拡散させるまちづくり」は、「まちの機能を集約させる方向」へと変わろうとしています。
今後、生活に必要な機能は主要な駅周辺に集約されるために、まちの再構築が行われようとしています。
2020年5月、東京の都市計画改定を前に出された「東京都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(原案)」では、東京都23区内に「鉄道ネットワークの高い結節性」を持ち、「高度な都市機能の集積を図る拠点」を中核的な拠点として位置づけています。
この「中核的な拠点」に、錦糸町と亀戸が挙げられています。
また両国は、活力とにぎわいの拠点という、「鉄道乗車人員の特に多い駅周辺」に分類されています。
両国、錦糸町、亀戸は、国や自治体が住民と一体となって、今後もまちづくりが進むことが予想されます。
まとめ
両国、錦糸町、亀戸と、どのまちも、一人暮らしはもちろん、二人暮らしや家族連れ、年齢を問わず、地元に根付いた文化とともに豊かな暮らしができる、住み心地のよいまちです。
国際都市東京を代表する東京駅周辺にも便利な場所で、オンとオフを使い分けられ、日本の文化と最先端技術の両方にも触れられるバランスの取れたまちといえるでしょう。