主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年9月20日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼19日(火)の為替相場
(1):RBA議事要旨公表
(2):ユーロ圏インフレ率を下方修正
(3):米住宅関連指標の結果はマチマチ
(4):米10年債利回り 約16年振りの高水準を記録
▼19日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドルの一段の押し上げは不透明/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
19日(火)の為替相場
期間:19日(火)午前6時10分~20日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA議事要旨公表
豪中銀(RBA)は今月5日に開いた理事会の議事録を公表。理事会では25bp(0.25%ポイント)の利上げも検討したが、最終的に政策金利を4.10%に据え置くことを決めたと明らかにした。「最近の指標は、政策金利が現行水準にとどまる間、インフレ率が妥当な期間に目標水準に戻るという見通しと整合的」とし、据え置きの決定は、金融政策の影響が経済に浸透するまでの時間差を考慮し、これまでの引き締め効果が完全に表れるまでさらなる時間を確保する意義を理事会メンバーが認めた結果だとあらためて表明した。
(2):ユーロ圏インフレ率を下方修正
ユーロ圏8月消費者物価指数(HICP)・改定値は前年比+5.2%と速報値(+5.3%)から下方修正された。コアHICP・改定値は前年比+5.3%で速報値と同じだった。なお、経済協力開発機構(OECD)はこの日発表した経済見通しでユーロ圏の2023年の実質成長率予測を0.6%とし、従来の0.9%から引き下げた。域内最大の経済規模を持つドイツの成長率予測を-0.2%に下方修正したことが響いた。
(3):米住宅関連指標の結果はマチマチ
米8月住宅着工件数は年率換算128.3万件と市場予想(143.9万件)を下回り、前月(144.7万件)から減少した。一方で、住宅着工の先行指標である米8月建設許可件数は年率換算154.3万件と予想(144.0万件)および前月(144.3万件)を上回った。同時刻に発表されたカナダ8月消費者物価指数(CPI)が予想以上に上昇したことで米長期金利にも上昇圧力がかかったことからドル/円は強含んだ。
(4):米10年債利回り 約16年振りの高水準を記録
米10年債利回りが2007年11月以来の4.37%付近まで上昇。カナダCPIの上ブレに加え、この日から始まった米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を長期にわたり高水準に維持する方針を示すとの見方から米債売りが優勢となった。ただ、ドル/円は強い上値抵抗として意識されている148.00円付近の売りオーダーをこなせず伸び悩んだ。
19日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ドルの一段の押し上げは不透明
昨日のドル/円は米長期金利の上昇を背景に147円台後半で強含みの展開となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を長期にわたり高水準に維持する方針を示すとの見方から米10年債利回りが2007年以来16年ぶりの水準に上昇する中、147.92円前後までドル高・円安に振れた。ただ、イエレン米財務長官が日本の為替介入に理解を示したことが円売りを抑制したため、先週付けた10カ月ぶり高値の147.95円前後を前に伸び悩んだ。
本日のFOMCでは政策金利を5.25-5.50%に据え置く公算が大きく、市場の関心は政策メンバーの政策金利予測を示す「ドットチャート」に集まっている。「ドットチャート」では、年内の追加利上げに含みを持たせた上で、来年以降の利下げが後ずれする可能性が示されるとの見方が多い。
もっとも、こうした見方が概ね織り込まれたことで米長期金利は16年ぶりの水準に上昇しており、金利とドルの一段の押し上げにつながるかは不透明であろう。仮にドル/円が強い上値抵抗と目されている148.00円を上抜ければ上昇が加速することも考えられるが、それに応じて本邦政府・日銀による円買い介入への警戒感も高まることになろう。
注目の経済指標:米FOMC
注目のイベント:FOMC経済・金利見通し
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経済指標・イベントの結果について
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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