外為どっとコム トゥデイ
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主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2023年9月21日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼20日(水)の為替相場
(1):米財務長官 円買い介入に一定の理解を示す
(2):本邦貿易赤字 市場予想を上回る
(3):英CPI 予想外の減速
(4):FOMCは金利据え置きも金利見通しを上方修正
(5):パウエルFRB議長 利上げ打ち止めを否定

▼20日(水)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:続伸があるとすれば海外市場で/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

20日(水)の為替相場

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期間:20日(水)午前6時10分~21日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):米財務長官 円買い介入に一定の理解を示す

イエレン米財務長官は日本が再び円買い介入に踏み切った場合に米国が理解を示すかどうかは「状況次第」だと述べた。「われわれは通常、こうした介入について日本側と意思疎通を図り、為替相場の水準に影響を与えようとするのでなく、過度な変動をならす必要性を総じて理解している」として、ボラティリティを抑える目的の市場介入には一定の理解を示した。これを受けてやや円買いに傾く場面もあった。なお、神田財務官はイエレン長官の発言を受けて「行き過ぎた変動に対しては適切な対応をあらゆる手段を排除せずに取っていきたい。海外当局、とりわけ米国とは日ごろから極めて緊密に意思疎通を図っている」と述べた。

(2):本邦貿易赤字 市場予想を上回る

日本8月貿易収支は9305億円の赤字となり、赤字額は市場予想(6785億円)を上回った。中国経済の減速などを背景に2カ月連続で輸出が前年同月比で減少した。

(3):英CPI 予想外の減速

英8月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.3%、前年比+6.7%といずれも予想(+0.7%、+7.0%)を下回る伸びにとどまった。変動の大きい食品やエネルギーなどを除いたコアCPIも前年比+6.2%と予想(+6.8%)を下回り前月(+6.9%)から減速した。これを受けて英中銀(BOE)が翌日の金融政策委員会(MPC)で利上げを見送るとの観測が急浮上したことからポンドが急落した。なお、英金利先物が示す25bp(0.25%)利上げの確率は、前日の80%前後から45%前後へと急低下した。

(4):FOMCは金利据え置きも金利見通しを上方修正

米連邦公開市場委員会(FOMC)は予想通りに政策金利(FFレートの誘導目標)を5.25-5.50%に据え置いた。声明と同時に公表した政策金利見通しで2024年末の予想FFレートを前回と同じ5.625%とし、年内あと1回の利上げを示唆。2024年末の予測を前回の4.625%から5.125%に引き上げて、利下げが小幅にとどまるとの見通しを示した。これを受けて高金利が長期化するとの見方が強まり米長期金利が上昇する中、ドル買いが強まった。

(5):パウエルFRB議長 利上げ打ち止めを否定

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC後の会見で「インフレが2%の目標に向かって持続的に低下していくと確信するまでは引き締め的な政策を維持する」と改めて表明。「適切ならさらに金利を引き上げる用意がある」と述べた。また、「政策金利の据え置きを決定したことは、我々が求める政策スタンスに達したことを意味するものではない」とも述べて利上げ打ち止め観測を否定した。これを受けて米長期金利はさらに上昇。NY市場終盤には2年債利回りが2006年以来の5.18%付近まで、10年債利回りも2007年以来の4.41%付近へと上昇した。ドル/円は日米金利差の拡大を背景に148.35円前後まで上伸して年初来高値を更新した。

20日(水)の株・債券・商品市場

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ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

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ドル/円の見通し:続伸があるとすれば海外市場で

昨日のドル/円は10カ月ぶりに148円台へと上伸。米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を5.25-5.50%に据え置いたものの、政策金利見通しで年内に25bp(0.25%ポイント)の追加利上げを示唆した。来年2024年については利下げを予想しつつも、利下げ幅は前回見通しの100bpから50bpに半減。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は「インフレが目標に向かって持続的に低下していくと確信するまでは引き締め的な政策を維持する」と表明した。
FOMCの「タカ派的な据え置き」を受けてドル/円は昨年11月以来の高値となる148.35円前後まで上伸した。なお、米10年債利回りは2007年以来の4.41%付近へと上昇し、2年債利回りも2006年以来の5.18%付近まで上昇している。ドル/円は本日も日米金利差拡大が意識されて上値を試す展開となりそうだ。
もっとも、明日は日銀の金融政策発表が予定されており、将来的なマイナス金利の解除に関する手掛かりがあるか注目されている。また、本邦財務省は「あらゆる手段を排除せずに適切に対応する」として円安を強くけん制しており、ドル/円の上昇ピッチが速まれば相応に円買い介入の可能性も高まることになる。このため、特に東京市場では積極的に上値を追う展開にはなりにくいと見られ、149円台に向けた続伸があるとすれば海外市場でという動きになりやすいだろう。

注目の経済指標:BOE政策金利

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注目のイベント:BOE議事録

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神田 卓也
神田 卓也(かんだ・たくや)
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。

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