主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年9月27日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼26日(火)の為替相場
(1):鈴木財務相 円安けん制発言
(2):鈴木財務相 2度目の円安けん制発言
(3):米消費者信頼感指数 4カ月ぶりの低水準
(4):今後の政策を巡りECB内で意見割れる
▼26日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:介入を巡る神経戦が続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
26日(火)の為替相場
期間:26日(火)午前6時10分~27日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):鈴木財務相 円安けん制発言
鈴木財務相は為替について「過度な変動は好ましくない」と述べて、過度な変動には「あらゆる選択肢を排除せず適正な対応を取っていきたい」とあらためて表明した。また、為替市場の動向を「緊張感を持って注視しいている」とし、「過度な変動が好ましくないということについては(米国をはじめとする海外の通貨当局と)認識を共有している」と語った。
(2):鈴木財務相 2度目の円安けん制発言
鈴木財務相は「市場の動きを高い緊張感を持って見ている」と述べて本日2回目の円安けん制を行った。欧州勢の参入とともに米長期金利が一時的に低下に転じたこともあってドル/円は149円台を割り込んで一時反落した。
(3):米消費者信頼感指数 4カ月ぶりの低水準
米9月消費者信頼感指数は103.0と市場予想(105.5)を下回り4カ月ぶりの低水準となった。今後6カ月の見通しを示す「期待指数」が前月の83.3から73.7へと低下。発表元のコンファレンス・ボード(CB)は「消費者が引き続き物価全般、特に食料品とガソリンの上昇に頭を悩ませていることが示された」と指摘した。同時刻に発表された米8月新築住宅販売件数も、年率換算67.5万件とローン金利の上昇などを背景に前月(73.9万件)から減少。市場予想(69.8万件)を下回った。
(4):今後の政策を巡りECB内で意見割れる
オーストリア中銀のホルツマン総裁は「金利がピークに達しているかどうか不明」「さらなる利上げは排除できない」「インフレの上振れリスクは依然として存在する」などとしてタカ派姿勢を維持。一方でこれより前にはエストニア中銀のミュラー総裁が「現状はこれ以上の利上げを予想していない」と述べるなど、ECB内で今後の政策を巡る見解が割れていることが浮き彫りになった。
26日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:介入を巡る神経戦が続きそう
昨日のドル/円は11カ月ぶりに149円台へと上昇。米長期金利(10年物)が16年ぶりの水準に上昇する中、昨年10月24日以来の高値となる149.19円前後まで上値を伸ばした。その後は本邦当局による円買い介入への警戒感などから148円台後半へ反落する場面もあったが、日米金利差を意識した押し目買いに支えられて持ち直すと、前日比0.1%高い149.09円前後で取引を終えた。
心理的節目の150.00円が視野に入ったことで介入警戒感はさらに高まることが予想されるが、昨日のような緩やかなペースでのドル高・円安であれば当局としても実弾介入には踏み切りにくいだろう。ただし、財務省筋などからの口先介入のトーンが一段上がる可能性はある。本日も東京市場では上値追いの動きは強まりにくい一方、海外市場では米長期金利の動向次第で上値を試す展開が見込まれる。いずれにしても、介入を巡る市場と当局の神経戦が続きそうだ。
そのほか、本日は9月末が決済日にあたり月内受け渡し取引の最終日となる。このため、実需などのフローによる不規則変動にも注意が必要だろう。
注目の経済指標:米耐久財受注
注目のイベント:米ミネアポリス連銀総裁講演
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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