主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年9月28日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼27日(水)の為替相場
(1):豪CPIは加速も主因は燃料価格
(2):米耐久財受注が上振れ
(3):原油価格が大幅に上昇
▼27日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:150円アタックは海外時間だろう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
27日(水)の為替相場
期間:27日(水)午前6時10分~28日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪CPIは加速も主因は燃料価格
豪8月消費者物価指数(CPI)は前年比+5.2%と予想と一致。前月の+4.9%から伸びが加速したものの、燃料価格の上昇が主因であり、これらの変動が大きい品目と旅行を除いたCPIは前月の+5.8%から+5.5%に鈍化した。結果的に豪中銀(RBA)は10月3日の理事会でも政策金利を4.10%に据え置くとの見方が強まった。
(2):米耐久財受注が上振れ
米8月耐久財受注は前月比+0.2%と予想(-0.5%)に反して増加。変動の大きい輸送用機器を除いた受注額も前月比+0.4%と予想(+0.2%)を上回った。発表直後こそドルの反応は鈍かったが、耐久財受注の上振れで7-9月期国内総生産(GDP)の伸びが高まるとの見方が広がると次第に騰勢を強めた。
(3):原油価格が大幅に上昇
NY原油先物(WTI)が米国の在庫減少などを背景に上昇。これをきっかけに、WTIはその後1バレル94ドル台に上伸して昨年8月以来の高値を付けた。ドル/円は149円台半ばで伸び悩む場面もあったが、米長期金利の上昇を受けてドル買いが強まるとその後149.71円前後まで上伸して昨年10月21日以来の高値を付けた。資源国通貨の豪ドルは、原油高を受けて買いが先行したが、一巡後はインフレ懸念から米長期金利が上昇したことでドル買いに傾き豪ドル/米ドルが下落に転じたため豪ドル/円も反落した。ユーロは、原油高による景気圧迫への懸念から対ドルで年初来安値へと軟化。対円でも上値が重かった。
27日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:150円アタックは海外時間だろう
昨日のドル/円は149.71円前後まで続伸して年初来高値を更新。原油価格の上昇や米8月耐久財受注の上振れを受けて米10年債利回りが16年ぶりの水準に上昇する中、ドルが全面的に上昇した。米国の金融引き締めが長期化するとの見方が強まっており、四半期末を前にした調達需要も相まってドルの上昇地合いは続きそうだ。一方、ドル/円は心理的節目の150円に接近したことで日本政府・日銀による円買い介入への警戒感が一層高まることになろう。今朝も、特に理由なく一時149.30円台に数十銭下落するなど神経質な動きが見られている。
東京市場では引き続き介入警戒感を背景に伸び悩む展開が予想される。150円アタックの動きがあるとすれば警戒感がいくぶん薄れる海外市場であろう。なお、本日のNY市場では前週分の米新規失業保険申請件数が発表されるほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が予定されている。昨日、4.64%台に上昇して2007年10月以来の高水準を付けた米10年債利回りの動向が、本日もドル/円の値動きのカギを握ることになるだろう。
注目の経済指標:米GDP確定値
注目のイベント:パウエルFRB議長講演
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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