花王が化粧品事業のグローバル展開を強化 不採算ブランドの統廃合も視野に
(画像=「セブツー」より引用)

花王は9月26日、化粧品・スキンケア事業のグローバル展開における戦略を発表した。グローバル化粧品市場に関しては、2027年に日本と中国ともに成長が見込めず、一方で中南米での成長が予測されている。カテゴリー別では皮膚の健康を考えられた化粧品のダーマコスメとフレグランスの成長が考えられる。

これらの予測から今後の課題として、地政学におけるリスクを考えたグローバルな市場形成が挙げられる。さらに、国内流通の変化、アジア市場の成長、ジェンダーレスな美容意識の高まり、ダーマコスメとフレグランスの市場成長といった課題も考えられるためM&Aを視野に入れ、ポートフォリオを強化していく予定だ。

花王はグローバル化に向けた戦略を強化していく。グローバル展開を強化する11のブランド「G11」の中でも優先順位をつけ、「センサイ(SENSAI)」「モルトンブラウン(MOLTON BROWN)」「キュレル(Curel)」を「ファーストランナー」と位置付け、主力ブランドとして経営資源を集中させる。一方で、今後はブランドの統廃合も検討していく。

「センサイ」は、欧州からアジアへの拡大を目指し、主に富裕層をターゲットとしている。また、中国の大都市に拡大していくことで、2030年には2022年の3倍の売上を目指す。

「モルトンブラウン」も同様に、欧州からアジアへの拡大を目指す。高級ホテルのアメニティの体験を提供するほか、Eコマースでも購入することができる。英国スタイルのブランドということからターゲットは、英国の由緒正しさ、ラグジュアリーへの憧れ、洗練されたホテルライクなライフスタイル志向者とされる。香港やシンガポール、タイなどに展開する計画が立てられ、2030年に1.5倍の売上を目指す。

「キュレル」は、日本からアジア、欧州への拡大を目指す。日本人に多い乾燥性敏感肌へのソリューションをグローバルに発信することが目的である。アジアでは、主に中国がメインとされ、2030年には1.5倍の売上を目指す。

「G11」に含まれる「カネボウ(KANEBO)」や「ケイト(KATE)」は戦略投資ブランドとされ、アジアでの拡大を目標とする。「ケイト」は、アジアの若年層をファン化させることを目的とし、アジアを代表するブランドを目指す。また、日本国内での活動を中心とするブランド「R8」の中でも優先順位をつけ、「アルブラン(ALBLANC)」「トワニー(TWANY)」「リサージ(LISSAGE)」を強化する。