主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年9月29日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼28日(木)の為替相場
(1):豪小売売上高 予想に届かず
(2):独CPI 大きく鈍化
(3):米10年債利回り上昇もドル/円は伸び悩み
(4):米国債に持ち高調整
▼28日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感は定まりにくくなりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
28日(木)の為替相場
(1):豪小売売上高 予想に届かず
豪8月小売売上高は前月比+0.2%と2カ月連続のプラスとなったが、市場予想(+0.3%)には届かなかった。物価高や金利上昇を受けて消費者が支出を控えた。
(2):独CPI 大きく鈍化
独9月消費者物価指数(CPI)・速報値は前年比+4.5%と市場予想(+4.6%)を下回り前月(+6.1%)から大きく鈍化。欧州連合(EU)基準のCPIも前年比+4.3%に鈍化した(予想+4.5%、前回+6.4%)。ただ、これより前に発表されたノルトライン・ウエストファーレンなど各州のCPIが鈍化していたため下振れは想定済みだったと見られ、ユーロの反応は限定的だった。
(3):米10年債利回り上昇もドル/円は伸び悩み
米新規失業保険申請件数は20.4万件と市場予想(21.5万件)を下回った。前週(20.2万件)からは僅かに増加したものの、米労働市場は堅調を維持していることが示された。これを受けて米10年債利回りが16年ぶりの高水準となる4.68%台へと上昇。しかし、ドル/円は月末・四半期末を控えた戻り売りに押されて149円台半ばで伸び悩んだ。
(4):米国債に持ち高調整
下落が続いていた米国債に月末・四半期末を控えた持ち高調整と見られる買い戻しが入り長期金利が低下。一方、米国株は長期金利の低下を好感して上昇した。米長期金利の低下を受けてドル/円の上値は重かったが、株高を背景とするクロス円の上昇が支えとなり下値も堅かった。
28日(木)の株・債券・商品市場
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:方向感は定まりにくくなりそう
昨日のドル/円は上昇一服。前日に149.70円台まで上伸して年初来高値を付けた反動に加え、日本政府・日銀による円買い介入への警戒感も相まって持ち高調整のドル売り・円買いが優勢となった。海外市場では米長期金利の低下を受けて149.14円前後まで弱含む場面もあった。
本日は9月末かつ第3四半期(7-9月期)末の最終取引となることから、国際投資家のリバランス(投資資金再分配)や実需のフローが交錯しやすく、ドル/円の方向感は定まりにくくなりそうだ。心理的節目の150.00円に近付けば、再び円買い介入への警戒感が高まり伸び悩むと見られる一方、日足一目均衡表の転換線が通る148円台半ばは下値支持として意識されるだろう。
なお、NY市場では米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する8月の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が発表される。ガソリン価格の上昇などから前年比の伸びが加速すると見られる一方、食品とエネルギーを除いたコア指数は鈍化する見込みとなっている。市場は基調的な物価動向を示すコア指数のほうをより重要視すると考えられる。
注目の経済指標:米PCEデフレーター
注目のイベント:ラガルドECB総裁講演
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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