主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年10月2日8時45分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼29日(金)の為替相場
(1):豪ドル/円 月初来高値を更新
(2):鈴木財務相 為替介入の方針への問い
(3):ユーロ圏9月HICPは鈍化
(4):米9月PCEデフレーターは予想通り
▼29日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドル/円、再び150円に接近 米政府閉鎖はひとまず回避/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
29日(金)の為替相場
期間:29日(金)午前6時10分~30日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪ドル/円 月初来高値を更新
豪ドル/円は96円台に上伸して月初来高値を更新すると、さらに上げ幅を拡大。27日に年初来安値を更新して下落していた豪ドル/米ドルが、月末・四半期末を前に大きく反発した動きにつれた。
(2):鈴木財務相 為替介入の方針への問い
鈴木財務相は閣議後の会見で、円安が進む中で為替介入に関する政府の方針を問われ「防衛ラインみたいなものがあって、それを超えたらどうするこうするということではない」「変動というものに着目している」と述べた。その上で、急激な変動に対しては「あらゆることを排除せず適切な対応をしていくという従来の姿勢に変わりはない」とした。一方で日銀はその後、残存期間5年超10年以下の国債を3000億円買い入れる臨時オペを通知。本邦長期金利(10年)が10年ぶりに0.77%台へ上昇したことを受けて金利の抑制に動いた。
(3):ユーロ圏9月HICPは鈍化
ユーロ圏9月消費者物価指数(HICP)・速報値は前年比+4.3%と市場予想(+4.5%)を下回り、前月(+5.2%)から伸びが鈍化。食品やエネルギーなどを除いたコアHICP・速報値は前年比+4.5%だった(予想+4.8%、前月+5.3%)。欧州中銀(ECB)が注目するコアHICPは昨年8月以来の水準に鈍化したが、ECBのインフレ目標である2%を依然として大幅に上回っている。
(4):米9月PCEデフレーターは予想通り
米9月個人消費支出(PCE)は前月比+0.4%と市場予想(+0.5%)に届かなかった。PCE物価指数(デフレーター)は前年比+3.5%で、予想通りに前月(+3.4%)から加速。一方、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+3.9と予想通りに前月(+4.3%)から鈍化した。
29日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ドル/円、再び150円に接近 米政府閉鎖はひとまず回避
29日のドル/円は下値の堅さが目立つ展開。月末・四半期末の持ち高調整で売りが強まる場面もあったが、日足一目均衡表の転換線付近(148.53円前後)で下げ渋った。その後は買い戻しが優勢となり、前日比小幅高の149.37円前後で9月の取引を終えた。
なお、週末30日には米議会が土壇場で新年度の予算案に合意。11月中旬までのつなぎ予算ではあるものの、ひとまず政府機関の閉鎖は回避されることになった。本日は、これを好感して世界的に株価が堅調に推移する見込みで、低金利の円が売られやすい地合いとなりそうだ。リスクオンの流れが強まればドル/円は150.00円の節目を突破して続伸する可能性もある。ただし、米つなぎ予算の成立によって米国債の格下げ懸念もひとまず後退すると見られ、米長期金利の低下がドルの重しになることも考えられる。米長期金利の動向が本日のドル/円のカギとなりそうだ。
また、仮にドル/円が150円台に乗せれば日本政府・日銀による円買い介入への警戒感が一段と高まるだろう。値位置的にはそう遠くない1ドル=150円だが、接近すれば市場と当局の神経戦の様相は一段と強まりそうだ。
注目の経済指標:米9月ISM製造業景況指数
注目のイベント:パウエルFRB議長講演
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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