コナカが通期業績下方修正とスタンダード市場へ自主降格
(画像=「セブツー」より引用)

東京証券取引所プライム市場に上場している紳士服チェーンのコナカは、2023年9月通期連結決算(2022年10月1日〜2023年9月30日)の業績予想を9月26日に下方修正した。

主要数字は以下の通り(修正前の数字は2月21日発表の第1四半期発表時のもの)。
・売上高:693億3200万円→659億6600万円
・営業損益:−4億4100万円→−10億4100万円
・経常損益:2億4700万円→−8億6900万円
・親会社株主に帰属する当期純利益:−2億4800万円→−9億6900万円

すべての利益部門が赤字だ。ただし、コナカ単体の業績予想については、営業利益2億300万円(修正前3億5400万円)、経常利益4億7900万円(同10億4000万円)、当期純利益4億3400万円(同5億7500万円)だった。連結子会社サマンサタバサジャパンリミテッドの業績不振や当初予定になかった同社の営業外費用(株式発行に伴う費用)があったために、連結決算の通期予想がすべて赤字になったとしている。

この発表を受けてコナカ株は翌日の9月27日から急落した。9月26日の終値は455円だったが、9月27日の始値は423円。9月28日はさらに売られ398円と一時400円を割り込む場面もあった。

なおコナカは、2021年4月4日スタートした東京証券取引所の新市場区分において、最上位のプライム市場を申請。また同時にプライム市場上場維持基準に向けた取り組みを行ってきた。しかしプライム市場を断念し、スタンダード市場へ移行することを取締役会で決定したと9月26日に発表した。「成果を性急に追い求めるよりも、持続的な成績に資する方が中長期的には企業価値向上への寄与が大きい」と同社は説明。

コナカの場合、具体的プライム市場上場に不適合だったのは、1. 株主数(800人)、2.流通株式数(2万株)、3. 流通株式時価総額(100億円以上)、4. 流通株式比率(35%)、5. 旧平均売買代金(2000万円)、6. 純資産額(プラスであること)のうちの3. 流通株式時価総額(100億円以上)だった。現在55億〜60億円という水準だ。要するに、株価が安すぎるために時価総額(株価×流通株式数)が低過ぎるのが原因だ。

自社の業績を回復させ、連結子会社のサマンサタバサジャパンリミテッドを黒字化させない限り、株価は上がらないし、時価総額も100億円以上にはならない。スタンダード市場への自主降格は妥当だろう。